本当に面白い映画、ってのは、こういうのをいうんだろうなぁ。
すごいものを見たわ。
この映画は、みんな見なければいけない。
と思います。
三船敏郎の貫禄と人間味。
三橋達也の、やけに重厚な安っぽさ。
仲代達矢の知性と粘り。
山崎努の性質の邪悪さ。この人、若い頃からここまで演じられる人だったんだなあ!
目立たないけど東野英治郎や藤原鎌足のリアルな存在感もすごい。
何が天国で、何が地獄なんだろう?
企業の重役たちの欲の張り合いも濃くて熱いけど、トリックもすごいし謎解きもきわめてスリリングです。
アガサクリスティとかが好きなミステリファンでも、じっくり味わってため息をつくような世界。
なんて魅力的な世界なんでしょう。この世界の中に私も存在してみたい、と思えるほど強烈に惹かれます。
黒澤明×三船敏郎、土星と木星みたいに大きくて重い二人が、周りの人たちをみんな渦に巻き込んで、すごいものを作ってしまった。と、大いに感動したのでした。