蒼井優の髪がまだ長いので、けっこう前の作品かと思ったら、2012年でした。
いつものように、前情報なしで見始めて、(これはいわゆる、小津安二郎「東京物語」への”オマージュ”とかってやつだろうか)と思っていたら、「東京物語の”リメイク”です」とのことでした。潔い!
実際、今の日本だったら…という当てはめが、なるほどと腑に落ちます。
日々のしごとに追われて、ともすると親に辛くあたってしまう二女も、心が冷たいということでもなく、あれも人間、これも人間、と感じさせます。…かなり恵まれているほう、なんじゃないですかね、実際。
蒼井優演じる末っ子の婚約者と、赤の他人である隣人の家の女の子が、やもめになった父を助けるんだけど、人の世話をするのって「重荷」だけじゃなくて、自分を必要としてくれてる人がいて、助ければ喜んでくれる、というところにいるのっていいなと思います。そういう喜びを思い出せよ、とこの映画に言われたような気がします。
押し付けがましくも、説教臭くもない、いい映画でした。