映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

リドリー・スコット監督「ブラックレイン」654本目

リドリー・スコット監督の、ブレードランナーの流れの「異世界」大阪と、ゴッドファーザーや極道映画の悪党ファミリーの世界が絶妙にブレンドされた娯楽作品。
どうしても松田優作の死にざまを別にして考えることができなくて、サトーが笑いながらチャーリーを殺すシーンの残酷さとかを頭の片隅に追いやって、サトーはなかなか深い役どころだ、としか思えないのは、ちょっと認識にゆがみがあるかもしれません。

それにしても、この題材にしては深い、いい映画でした。
タイトルの「ブラックレイン=黒い雨」について若山富三郎が語るシーンも、実に深かった。高倉健の英語はとても自然だったし、ステージで歌う場面もよかった。

いろいろ、ツジツマが合わないことや、伏線が追いきれてない?と思う部分もあったし、観客を楽しませるために大げさにしている感じもあちこちにあったけど、とにかく日米の役者さんが良すぎて、もしかしたらプロデューサーの実力以上の作品ができてしまったのかも??などと思いました。