映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

スタンリー・クレイマー監督「渚にて」608本目

1959年の白黒映画だし、グレゴリー・ペックとかフレッド・アステアとか出てるし、昔のドラマ映画のような画面なのですが、近未来というか近過去SFでした。
古き良き時代、ではなく、放射能がすぐそこまで迫り来ているパラレルワールド

アンソニー・パーキンスがサイコにしか見えず、彼が画面にいるとなんだか不安な気持ちになってしまいます。

発電所がこんなことになっている今、見るとコワイ機もするけど、これはSFなので放射能の量がすごくて、そしてなぜか一見どこも悪くないような美しい姿のまま、みんな自ら死を選びます。
実際は、もしかしたらもっと徐々に症状が進んで、そのうち人類は進化だか退化だかして、放射能に強い不思議な形状の人類が生まれたりするかもしれない。だから集団自決はやめたほうがいい、と思う。(理由として弱いと思われてもしょうがないけど)

監督はきっと核戦争を恐れて、警鐘を鳴らしたかったんだろうな。
日本以外の国の人たちが、この映画をどう見るのか、興味があります。