映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

ヴィットリオ・デ・シーカ監督「ひまわり」579本目

また、マルチェロマストロヤンニとソフィアローレンがカップル。今回は、行きずりの恋ではなく、若い夫婦です。
おもしろい組み合わせですよね。超セクシーな野生児ソフィアと、知的で、甘く苦い穏やかな大人の男マルチェロ。これが理想のカップルなんでしょうか、イタリアでは。

たまたま出会って恋に落ちたようだったけど、妻は夫を待ち続けます。なにかのカタキのように激しく待ち続けます。頭に白いものがたくさん混じる年齢になった妻は、とうとう、ロシアまで出かけます。そこが「岸壁の母】と違う。彼女はただ待ったんじゃなくて探しに行きました。
そして連れて行かれた墓碑。その周囲のひまわり畑の明るさが、なんともいえないです。
「アントニオ ヴィーヴ(アントニオは生きてます)」

展開と音楽は、ロマンチックだけどメロドラマっぽい。
戦争はスパイスに使われただけで、すれ違う男女の想いを情感を込めて描いた映画、ではないかと思います。
殺されかけて記憶喪失に…というだけでもドラマにはなるけど、さらに切なさを増すためのスパイス。

二人とも元気で、それぞれの子どもがいて、よかったよ。(なにを親身になってる、私)
新しいロシア人の奥さんも、きれいだったな〜〜。