映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

石井隆監督「ヌードの夜」556本目

情感とか情念とかがたっぷり、とっても湿度の高いロマンティック・バイオレンス映画。という感じ。
余貴美子がセクシー女性役で、しかもはまり役なのにすっごく驚きました。
といっても、同じ監督のほかの映画に比べると、ヌードは極端に少ないです。

「天使のはらわた」とかでは、堕ちて行く哀れな女を描いていたので、監督が描こうとしてるのはもう少し弱い女性かと思ってたけど、この映画を見てはじめて「それでも汚れない女性」、つまり本質的には強い女性を描いていたのか、と思いました。

ストーリーは、「そういうこともあるのかもしれないけど、あまり身近に感じない」。
愛人も殺人も情念も恨みも、あんまり縁がない…ので、深く深く堕ちて行く女性の美しさは、「そうですね、美しいですね」くらいな感じ。
男性は共感できるのかな?
女性という性に対する深く温かい愛情がテーマなのかな。
男性側でなく、女性側に自己投影すれば、深〜く愛される気持ちを味わえるのかしら…