映画と人とわたし

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

ウディ・アレン監督「マンハッタン」555本目

自分の見つけた素敵な女性とつきあって映画を作る監督っていっぱいいるみたいだけど、ウディアレンって…
それをずーっと繰り返してるのかな?
ダイアン・キートンマリエル・ヘミングウェイメリル・ストリープも、ほんとうにステキ。
そして彼の恋愛観?恋愛遍歴?には終わりがなく、映画は常に不安定な恋愛状態でおわる。
それは彼自身、ひとりの人を愛し続ける自信がないことの現れ?(カウンセラーか私は)
軽薄でおしゃべりで手が早い男の物語が、ほんのり甘く切ないのは、見る人もみんな同じ思いをしたことがあるから、でしょう。

この映画は白黒だけど、マンハッタンって暗い色の壁の(年月ですすけただけか?)高層ビルが多くて、カラーでも白黒映画の雰囲気だと思うので、時代を感じさせません。

短編小説のアイデアを口述で録音しながら、自分の好きなものを1つ1つ数え上げていく場面。
グルーチョ・マルクスに始まり、彼らしさのにじみ出る選択の最後に、「トレイシーの顔」。そしていてもたってもいられず彼女を追いかける、という一連の心の動きと行動。ほんとにバカな男です。でも人間はみんなバカなところがあるから、じわぁっとくる。

誰かに振られると、新しい人じゃなくて、その前に付き合ってた人のことが急にいとしくなるものなのかな。
大切なものを失ったすきまを、なにか確かなものでうめたいと思うからかな。

この映画は、軽薄さと純粋さと映画マジックとストーリー性、いろんなもののバランスが見事に取れていて、名作!と思いました。(最近の作品は、おもしろいけど映画マジックをあんまり感じないな…)