映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

ニールス・アルデン・オプレヴ監督「ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女」474本目

US版と比べてみたくて借りました。こっちがオリジナルだし、第2話、第3話もあるし。

その結果。
基本のストーリーは、当然同じだし、ミステリアスな雰囲気やどきどきする感じも共通です。こっちも面白い。
ミカエルはこっちの方がジャーナリストっぽいかな。リスベットはUS版のほうがかなり変だ。こっちのリスベットはちょっとゴシック系だけど普通にきれいなおねーちゃんだ。US版は、あのルックスと経歴の女の子に手を出す後見人はかなりの変わり者かも、というかんじがあったけど、こっちはそういう意味ではありそうなことです。
ミカエル自身が失踪した少女のことをよく覚えていた、という設定はUS版にはなかったような?
リスベットの母との再会のくだりも、なかったような。
そして、US版ではリスベットのミカエルに対する想いが成就しないという切ない結末だったけど、こっちのリスベットはハナから普通の恋愛を求めてない。US版はちょっとかわいそうすぎるので、その点はこっちがいいかな。

面白かったので、引き続き第2作、第3作を見たいと思います。

ひとことも理解できない外国の言語の映画で、これほどストーリーが複雑だと、US版を見ないでこっちを先に見てたらついていけなかったかも。
でも、ハリウッドに頼らなくても、ここまで面白い原作を書く人と、この映画を作り上げられる監督や製作体制が“映画大国”じゃない国にもあるというのは素晴らしい。いろんな国の映画を見る機会は、大切にしていきたいなーと思います。

それから、DVDがとてもよく作られていることも書いておきたいです。字幕だけじゃなくて日本語吹き替えも入ってるし、人物相関図、島の地図、出演者インタビューなど、パンフレットのような詳細がたっぷり入ってます。