映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

アレックス・コックス監督「シド・アンド・ナンシー」473本目

裏切りのサーカス」を見た後に、この映画を見てみたくなりました。
当時パンク嫌いだった人や、まだ生まれてなかった人たちは、この映画をどう見るんだろう?

シド&ナンシー…まさに私と同時代で、遊びでよくPretty Vacantとか演奏してた私ですが、どうせまじめな人が不良のふりをしてるだけだろ、とか思って当時見る気になれませんでした。
感想として、ナンシーはかなりイメージ通りだけどシドは目が据わってないなぁ。彼は不良という以前に壊れてて、そこが魅力だったので、その雰囲気を出すにはヘロインが無理でも筋弛緩剤くらいは打たないと無理なのかもしれません。
極東で音楽を聴いたり雑誌を見たりしてるだけの私たちに、シドは特に”怖い”存在でした。いっちゃってるから。彼はもう、あの凄い「マイ・ウェイ」を歌って死ぬためだけに生まれてきた特別な存在だったんだ、と思うしかないです。純粋すぎて大人になれなかった。いい人にもなれなかった。勝手に肉体が壊れていってそのまま死んだ。そんな人生もある。注目されたり憧れられた瞬間があったことと、本当のパートナーに出会えたことを、祝福してあげたいです。

ジョン・ロットンが普通でクレバーに描かれてるののがおかしかった。