映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

ホウ・シャオシェン監督「非情城市」452本目

なかなか借りられないのでVHSを借りてきたんだけど、画質悪いし画面乱れるし、なかなか見づらいですね〜。

内容は、第二次大戦が終わってからの台湾の歴史を、ひとつの家族を中心に描いたもの。
誰が怒鳴っても泣いても、誰にも寄らずにずっと引いたままのカメラが、淡々と、ずっと、家族を見ています。
家族といっしょに腹を立てたり絶望したりしながら、最後に切ないような申し訳ないような気持ちになります。
日本式の服装や仕草がぜんぜん違和感ないことが悲しい。本当に日本として統治されてたんだなぁ。(ヨーロッパでもどこでも、起こってることではあるけど。。)

ハリウッド白熱教室」でいうような音、カメラワーク、照明、細かい編集、とかはこの映画にはあまりありません。技巧を補って余りある中身、真実があるから、人の心を打つ、という映画もあっていいと思います。…それにしても、“大河ドラマ”的な長い作品って画面づくりがシンプルな傾向がありますね?

むかーし習った「四言絶句」みたいな手紙や詩がときどき出てきたりして、私がイメージする古き良き中国のようでじわーっと良かったです。