映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

渡辺祐介監督「なにはなくとも全員集合!!」411本目

へー、こんな映画があったんだ。
私は子どもの頃に「全員集合!」を楽しみにしてた世代だけど、映画のことは知りませんでした。

草津の鉄道駅の職員たちと、輝かしい”西武バス”の職員たちの対立っていうのばベースになってるんだけど、西武バスのプロモーション映画?実際には草津には西武バスは通ってないと思うけど…。

ドリフの面々や、そういえば昔見たことがあったなぁという役者さんが出ていて、なんともいえない郷愁。
当時のフィルムの濃い色合いや、やけに若いカトちゃんも、まだ小さい頃に見覚えた感じを思い出します。
若水ヤエ子さんって見覚えがあるけど、すごい喜劇女優さんだったんですね。

ストーリーはじつに他愛ないけど、楽しい娯楽映画です。みんな、家族や友達や彼氏と見に行って、楽しんだんだろうな〜。

ドリフ、というかこの番組のスタッフって、マルクス・ブラザーズが好きだったんだろうな。笑いのセンスや、演劇と音楽のバランスが似てる気がします。小さい頃に食べ覚えたチキンラーメンを、大人になってもおいしく感じてしまうように、ドリフの笑いは懐かしく楽しいです。やっぱり好き。

この映画はじつは、「八時だよ!全員集合」が始まった1969年より前の1967年の映画なんですね。この頃すでにテレビのレギュラー番組はあったようなので、いかりや長介の「全員集合!」はもともとあって、それをタイトルにした映画や番組が作られたってことなんでしょう。しかし冠番組でもない番組で客席に向かって「全員集合」?当時のことを知りたいなー。

映画としての評価が低いからか、今ソフトが発売されてないので、テレビで見られてほんとにラッキーでした。
名作でない映画にも、味わいってのがあるよね。