映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

山内鉄也監督「忍者狩り」408本目

最初は白黒だし、笑いも盛り上がりもないので、地味な映画だなーと思ってみてましたが、終盤の石牢みたいなところの忍者との戦いとか、めちゃくちゃクールでシビれました。

女忍者の色仕掛け、ひっかかっても最後は返り討ち、という感じで人情もなにもなく、ひたすら冷徹にしごとを続けて行きます。役者さんたちがとってもかっこいいし、湿り気のまったくないカメラワークも素敵。

84分のみじかい作品だし、名作ってのとは違うのかもしれないけど、何かすごい輝きのある映画です。1964年っていう時代に、ここまで冷徹な絵を撮れるなんて。なにかに似ているとしたら、白土三平のマンガってかんじでした。

まだ若い山城新伍や田村高広が可愛い。主役の近衛十四郎というのは、松方弘樹目黒祐樹のお父さんなんですね。
音楽も「死刑台のエレベーター」のマイルス・デイヴィスのように鋭いです。ステキ!