映画と人とわたし

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

クリス・コロンバス監督「レント」286本目

2005年のアメリカ映画。

2時間半にわたるミュージカル映画。1996年から2008年までブロードウェイで人気を博したミュージカルを、オリジナルキャストの大半を使って映画化したものだそうです。

ミュージカル、あまり苦手だとも思ったことないけど、これは入りこむのにすごく苦労
しました。というのも、クラシカルな音楽のオペラと比べて、ミュージカル特にこれみ
たいにロックが使われてる場合、音楽の好き嫌いがあるんですよね。
この映画の音楽は、私が普段聞かない、90年代アメリカのヒットチャートを賑わせた
ようなロックなんです。問題はメロディじゃなくてアレンジなのです。

レストランで大勢で歌い踊る場面が良くて、そこから入れました。演劇や歌やアート、
ゲイやレズビアンやいろんな人種、みんなが混じって生きてるニューヨーク!っていう
のに惹かれます。

メインの出演者グループのほとんどがHIV陽性ってのがすごい。ストーリー上、陽性の人が出会って恋に落ちる相手は、やはり陽性でなければならなかったのかもしれませんし、90年代には、それがとんがったクールな人たちに与えられた試練と感じられていたのかもしれません。David Bowieの5 Yearsみたいに、彼らは「1年間」という時間を意識しています。

2回目に見たときは、なんてことなくフツーに見られて(どんな映画もたいがいそうだな)、冒頭からどんどんドラマが動いてたことに今更気づいたりしました。

ミュージカルの作者が公開初日に亡くなったことから、伝説の作品と呼ばれたりしたそうだけど、すこし同時代性がなくなってきている気がします。古いとは感じないけど、このニューヨークの生活はちょっとリアルな感じじゃない。

でもNHKプレミアムでこの映画を流した必然性は、わかりました。この特定の時代の特定の場所の彼らの生活をすばらしく切り取っている映画です。