映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

ヴィンセント・ミネリ監督「花嫁の父」178本目

1950年作品。

スティーブ・マーティン主演の1991年の映画「花嫁のパパ」はリアルタイムで見ました。賢く愛情深い妻にダイアン・キートン、娘を演じたキンバリー・ウィリアムズという女優さんは童顔で元気いっぱいで、父親から見た可愛い娘ってのをイメージしたらこういう風になるんだな、と思ったものです。

この原作品は1991年版ほどドタバタではないし、妻の役割は外向けには今より控えめだけど、娘を嫁にやる父の動揺は昔も今も同じ。父を演じたスペンサー・トレイシーはちょっと年を取り過ぎてる・・・と思ったら、当時まだ49歳。うそ・・・貫録ありすぎです。娘はまだ初々しい19歳のエリザベス・テイラー。上品で美しく、王道をいくアメリカのいい娘さんです。

女の私には一生わからないかもしれないけど、可愛くてたまらない娘をほかの男に取られるのを黙って送り出してやらなければならない父親の気持ちって、普遍的なんでしょうね。

スペンサー・トレイシーが立派過ぎるので、羽目の外し方はマイルド。爆笑というよりハラハラします。そういう意味で、1991年版がコメディ、こっちはホームドラマという感じでした。以上!