映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

アキ・カウリスマキ監督「過去のない男」164本目

2002年フィンランド作品。

「レニグラード・カウボーイズ」しか見たことなかったのですが、どうも評判がいいようなので借りてみました。

この映画の主人公、殺されかけて記憶をなくした男を演じてるマルック・ペルトラはこの間見た「かもめ食堂」で、コーヒーにおまじないをかける前のオーナーを演じてた人ですね。(2008年に亡くなってしまったらしい。さみしいですね)

イギリスやアメリカなら何度も行ったけど、北欧ってところには、こことはまったく違う匂いの空気が流れているのかもしれない。そういうエキゾチックな魅力があふれています。地味ーな映画だけど、「レニングラード・・・」と同じ、妙なおかしさ満載。

カンヌの「グランプリ」受賞というのは、審査員特別賞のことなんですね。パルムドール!ではなく。玄人好みな作品だと思うので、なるほどと思いますが、そこまで高評価になるのがやっぱりヨーロッパらしい気もします。

ふつうの日本の女子が憧れない、ヘルシンキの裏のほう、東京でいえば海っぺたの工場地域みたいなところをかいま見られて面白かったです。以上。