映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

荻上直子監督「かもめ食堂」156本目

2006年作品。

小林聡美フィンランドヘルシンキで無謀にも始めた「日本にある北欧風カフェ風の食堂」に、片桐はいりが、そしてもたいまさこがスタッフとして入って来ます。コーヒースタンドとかではなくちゃんとしたレストラン、広そうなアパート、いったい小林聡美はどんだけ貯金を持ってるんだという突っ込みだけ我慢して見ていれば、オバサンにもとても快い映画です。雑誌でいえばHanakoではなくクロワッサンという感じ。

心地よさのなかで“どうやってオチをつけるんだろう”、と思いながら見て、最後に“なぜエンディングテーマが「クレイジーラブ」なのか(曲調はとてもよいです)?”とふしぎに思う。

こんなお店、こんな映画、日本でも作れるんじゃないか?いや、実際は思い切り遠くに行って、知らない町で見覚えのない人たちの中に行かないと、ここまで切り替えられないもんなんでしょうね。異国で暮らすことへの憧れは、いまやニューヨークやパリやロンドンでもなく、ヘルシンキで満たされるものなのでしょう。

ヘルシンキ行ってみたくなりました。とりあえずIttalaのカップでも買ってきて家で(できるだけ)おいしいコーヒーをいれてみます。・・・以上。