映画と人とわたし

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

阪本順治監督「エルネスト」2184本目

エルネスト、といえばエルネスト・チェ・ゲバラだ。この映画は彼ではなく、彼によってエルネストという戦士名を与えられた日系の青年の物語です。 キューバには今も無料の医科大学があって、キューバの内外、アメリカからも学生が留学してくるそうです。ゲバ…

デイビッド・イェーツ 監督「ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生」2183本目

機内で見たんだけど、肝心の最後の30分くらいが見られなかったので、DVDをレンタル。 エディ・レッドメイン=ニュート・スキャマンダーは今回も非常に可愛く、ジョニー・デップ=グリンデンバルドがもう怖くて極悪で最高ですね。 家でPCを開きながら見ないと…

クリント・イーストウッド監督「インビクタス 負けざる者たち」2182本目

ネルソン・マンデラの演者として、モーガン・フリーマンは貫禄や精神性を感じさせて適役。他に選択肢なんてあるのかしら?・・・あ、なんと、マンデラ自身が「自分を誰に演じさせたいか」聞かれてモーガン・フリーマンって答えてたんだ。で、フリーマンが映…

黒沢清監督「旅のおわり世界のはじまり」2181本目

前田敦子がウズベキスタンをさまよって、「愛の讃歌」を歌いあげる映画を見てきた。こういう映画作っていいんだ。という不思議な気持ち。 日本のバラエティ番組の撮影隊は、誰もやる気がないし、レポーターの前田敦子は、プロ意識はあるけど、カメラが回って…

ビレ・アウグスト 監督「愛の風景」2180本目

イングマール・ベルイマンの映画には、神(キリスト教的な)が常にいる。言い方は悪いけど、神にたたられていると思うくらい、逃れられない。その彼の育ってきた環境を、彼自身が、彼の両親の出会いから描いたのがこの映画。自分を語るうえで、両親の育ちや…

アン・リー監督「いつか晴れた日に」2179本目

1995年のアメリカ映画。こういう、とてつもなく伝統的なイギリス文化を描く映画ってのは外国人が作ってたりするもんなんですよね。出演者もみんなイギリス英語だし、いまの感覚では盛り過ぎの不思議な頭や服装も、きっと当時の流行なんだな、という意味で、…

吉田喜重 監督「嵐を呼ぶ十八人」2178本目

1963年の映画。 白黒の画面はちょっと暗く感じるし、工場労働者たちの姿を見ると重たい社会派ドラマかと思うけど、この映画はむしろ当時の普通の若者たちの映画です。しばらく見てると、意外と新しい映画のように見えてきます。 この時代の工場労働者たちの…

ミシェル・ゴンドリー監督「ウィ・アンド・アイ」2177本目

こういう、一見ガラの悪い少年少女たちの、尖った鎧と傷つきやすい柔らかい部分をちゃんと見つめるっていう、大きい人間愛みたいなの、好きですよ。ミシェル・ゴンドリーは、めちゃくちゃだけど楽しいことが大好きで、同じものを愛する子どもたちや若い人た…

ルイス・ブニュエル監督「愛なき女」2176本目

ルイス・ブニュエル好きなので、レンタルしました。ヒネリや驚きなど一つも仕込まれていない、純粋な人間ドラマです。 年の離れた夫と若くて美しい妻、愛しい息子、そこに現れるナイス・ガイ。 オチがないけど、波乱万丈より人の内面を描きたい監督だと思う…

ガイ・リッチー監督「アラジン」2175本目

ウィル・スミスが最高すぎる、と何かで見て興味本位で行ってみました。 ガイ・リッチー(「ロック、ストック&トゥースモーキングバレルズ」)って今こんな映画撮ってるんですね。イギリス人でしょ? 1992年のアニメ版アラジンは見てない気がするけど、スト…

小池健監督「LUPIN THE IIIRD 峰不二子の嘘」2174本目

前情報なしの、いきなりの鑑賞。 ルパン三世はチビの頃から大好きだったし、「峰不二子の嘘」というタイトルがしびれるので選んでみました。彼女が嘘をつくのは当たり前すぎるので、それをあえてタイトルに持ってくるということは、むしろ彼女の嘘についてい…

フランソワ・オゾン監督「危険なプロット」2173本目

なるほど。この監督のことがやっと少しイメージできてきた(単なる主観かつ私見)。 美しいものを描きたいだけじゃないけど、醜いものは一切描かない。外観は端正で、中身がぐちゃぐちゃ、というのはOK、というよりむしろ好む。むしろお行儀よく美しく振る舞…

チン・モヨン監督「あなた、その川を渡らないで」 2172本目

まあ何て可愛らしいおじいちゃんとおばあちゃん。人間、こんなに可愛く歳を取れるものなのか。犬たちと日がな一日遊びながら暮らす。ピンクや黄色の、やたらと可愛らしいコスチュームの2人。幸せっていうのはこういうことを言うんだろう。お隣の国にこんな天…

カーク・ジョーンズ監督「ウェイクアップ! ネッド」2171本目

ネッド起きろ!死んでる場合じゃないぞ!(笑) マン島という“地の果て”感のある小さな島で起こる一生一代の大事件。騒ぎ、慌てふためく彼らの人の良さが、なんともいい感じです。 まあ、ストーリーは予想通りなんだけどさ。でもそれがいいじゃないですか。 …

フランソワ・オゾン監督「スイミング・プール」2170本目

これが2003年。シャーロット・ランプリングは「まぼろし」が2001年、「さざなみ」が2015年か。彼女の美しさを余すところなく描いた「まぼろし」の2年後は、こんなお局ふうのおばさん焼くかぁ。オゾン監督おもしろいな。リュディヴィーヌ・サニエは「8人の女…

手塚眞監督「星くず兄弟の伝説」2169本目

なんとも、つまらない映画だったなぁ。近田春夫の曲にはいいものもあるし、キャストも魅力的になれたはずなのに、何もかもが断片的でバラバラで、間がよくない。近田春夫が愛する「ファントム・オブ・パラダイス」(私も大好き)をイメージして作った、とい…

ジャ・ジャンクー 監督「長江哀歌」2168本目

原題は「三峡好人」、英語タイトルは「Still Life」。日本語タイトルも含めて全部全く違いますね。日本には「哀」の文字が必要で英語圏にはもっと静謐なイメージがあった方がよかったのかな。 妻を探す男と、夫を探す妻が、別の夫婦だとなかなか気づかなかっ…

フランソワ・トリュフォー監督「トリュフォーの思春期」2167本目

可愛くて、こまっしゃくれてて、コジャレてる。日本の少女たちがイメージするフランスをちょっと崩したような、愛ある映画でした。 小学校高学年くらいか。10歳くらいの子どもって、頭も体もまだ子どもだけど、精神的にはおよそ成熟してて、切なさとか痛みと…

フランソワ・オゾン監督「まぼろし」2166本目

これはシャーロット・ランプリングを見つめつづけるための映画だな。 55歳になった彼女は、自分に似合う髪型やメイクや服装を知っている。涼やかでおしゃれで美しく、大人として振る舞える。大人になった彼女の愛情は成熟している。夫の突然の喪失は、大きく…

マイケル・ウィンターボトム 監督「イン・ディス・ワールド」2165本目

難民キャンプから、ヨーロッパの目的地へのロードムービー。 この映画はなるべく、”かわいそう”という視点でなく、連れ立って旅する気持ちで見たい映画だなと思います。世界中のかなり様々なところに、今は比較的安全に旅行することができるけど、現地のガイ…

増村保造 監督「盲獣」2164本目

面白かったー。 船越英二ってこういうキャラだったっけ??いいお父さんだと思っていたら、こんな過去が・・・。緑魔子は怖い怪しいお姉さんだと思ってたけど、この映画の中では(十分怪しいのは置いといて)うら若いスリムで可愛い女の子だ。 前半は、ヌー…

ジョージ・ロイ・ヒル監督「華麗なるヒコーキ野郎」2163本目

大昔のサイレント映画かしら?と思ってたら、40数年前の作品でした(十分古いか)。主演のロバート・レッドフォード(ヒコーキ野郎)は紅顔の美青年だし、スーザン・サランドンはまだお嬢ちゃんという感じ。 ヒコーキ野郎たちは、こんな手作りの「鳥人間コン…

吉田恵輔 監督「ヒメアノ〜ル」2162本目

<ネタバレあり> 予備知識なしで見てよかった。怖い映画だった。 最初は、早回しで見ようかと思うほど地味なドラマだったけど、真ん中あたりでギュルっとダイヤルが変わる。 配役の妙がありますね。それぞれ、普段からこういう人じゃないことはわかってるの…

アラン・ジョンソン監督「メル・ブルックスの大脱走」2161本目

メル・ブルックスの映画は大半がパロディとどこかに書いてありましたが、これはパロディではなくリメイク。元映画(「生きるべきか死ぬべきか」)に対するリスペクトを感じさせるくらい忠実にたどりつつ、複雑さを解き明かす場面(シレツキーとソビンスキー…

アニーシュ・チャガンティ 監督「search/サーチ」2160本目

よく作られてますね。前に飛行機の中で見かかったときは、ちょっとまどろっこしく感じた(ちゃんと見ていないと構成がつかめない)けど、家でじっくり見ると、PCの世界に入り込んだようで浸れます。 <ネタバレあり> 父の知らない娘の本当の姿・・・といわ…

マイケル・ムーア監督「華氏119」2159本目

やっぱり面白い、マイケル・ムーアの映画は。 そして今回も、彼が書いたシナリオ通りにそれに合う映像やエピソードを集めてきて編集したんじゃないか、つまり、彼が決めた結論ありきなんじゃないかと思うくらい、強い説得力があって納得させてしまう。ドキュ…

ロン・ハワード監督「スプラッシュ」2158本目

だいぶ前に録画したやつ。ラブコメっていいわね、平和な気持ちになれて。 それにしてもダリル・ハンナってこんなに可愛かったのに、キル・ビルやそれ以降のあの迫力は・・・。アイドルとしてデビューしたミミ萩原がその後プロレスラーに転向したようなものか…

フェリックス・ヴァン・ヒュルーニンゲン 監督「ビューティフル・ボーイ」2157本目

「ビューティフル・ボーイ」はジョン・レノンが息子を歌った曲。あまりにストレートすぎて、これがティモシー・シャラメでなかったら成立しない映画だなぁ。 人が薬物中毒になる原因ってあるんだろうか。面白そうと思ってそっちに流れてしまうのって、ギャン…

クリント・イーストウッド監督「運び屋」2156本目

クリント・イーストウッド、さすがに歳とったなぁ。表情や動きの表現の幅に限界を感じます。密売人どもにまるでひるまないのは「俺は軍人だったんだ」という過去の経験からということだけど、するっと抵抗なく運び屋を引き受けたり、繰り返し犯行を続けたい…

ブラッドリー・クーパー監督「アリー/スター誕生」2155本目

レディ・ガガの演技が良くてびっくり。下積み時代のステージや職場の彼女も「こういう子っていそう」だし、戸惑いながらもあっという間に階段を駆け上っていく姿にも説得力があります。彼女のパワーやエネルギーをフィルムに残したという点だけでも価値のあ…