映画と人とわたし

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

日本映画(90年代以降)

入江悠 「ビジランテ」2084本目

全体的に重苦しい。 アウトレットモール誘致に必要な土地をめぐる三兄弟の話なんだけど、家出したあと荒んでた長男の気持ちや事情が全然描かれてなかった。ただ、感情がほとばしりすぎても、私は参ってしまうほうなので、この題材にしてはさらっとした描き方…

越川道夫監督「海辺の生と死」2082本目

音声が小さすぎる映画って、あまり好きになれない。この映画も室内の会話は普通の映画の倍、テレビ番組の3倍くらいまで上げないと言葉として聞けない。原作の特殊で神話的な場面を表現しようとしたのかもしれないけど、それならいっそ田中一村の絵みたいな…

大根仁監督「奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせガール」2081本目

タイトル長すぎ。 なんかマンガっぽい、原作がマンガだからね・・・。多分、面白さもつまらなさも原作の通りなんだろうな。水原希子って、とっても少女っぽいですね。これから大人の女性になっていくような。その辺が、少年の頃の自分を思い出してときめくの…

河瀬直美 監督「Vision」2080本目

河瀬直美の映画は、もういいかも・・・ くだらないとかわからないとか言うつもりはないけど、 土の近くで生きる誰かのスピリチュアルな生活をかいま見ることは、ちっともスピリチュアルな体験ではないから。彼女の言いたいことを理解するには多分もう、彼女…

相原裕美 監督「SUKITA 刻まれたアーティストたちの一瞬」2073本目

なんと、マーク・ボランが自動車事故で亡くなった場所を布袋と鋤田が訪ねるところから始まります。マークがギターで軽く感電して髪が逆立ったあの写真が、彼のスタート地点。 鋤田氏って朴訥なたたずまいで、誠実な話し方をする人ですね。パンクスみたいな人…

鈴木浩介 監督「ケアニン あなたでよかった」2072本目

いい映画だったなー。 別にやりたいこともないので、専門学校を出て介護職についてみた青年。日本中のどこにでもいます。ずっと元気だと思っていたのに、気づいたら認知症が進んでいたおばあちゃん。これも日本中のどこにもいます。彼らが介護施設で生活を共…

小松莊一良 監督「フジコ・ヘミングの時間」2071本目

不思議な人だ。初めて見聞きしたときは、なんだか怖いおばちゃんだなぁ、とか、なんて気の毒な人だろう、とか思ったけど、人間って、というか彼女は多分、私ごときが心配するほど虚弱ではなくて、神様から何かとてつもなく美しいものを持たされて地球に落ち…

長井龍雪 監督「劇場版 あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」2064本目

もともとTVシリーズだったもののダイジェスト版に、多少コンテンツを追加したものだそうです。だから、設定はわかっても、成り行きがすごくわかりにくい。じわじわと共感できないので、気の優しい女の子が、傷つくことを言われた直後に何らかの事故で亡くな…

吉田恵輔監督「さんかく」2060本目

2010年の作品。怖い映画だったわ〜 こうならないといいな、こうはなりたくないな、というのがどんどんエスカレートしてくと、最後こうなります、っていう映画。 小野恵令奈(この時まだ16くらい)って元AKBらしいのですが、ハラハラするくらいの幼いファム・…

佐藤嗣麻子監督「K-20 怪人二十面相・伝」 2059本目

2008年の作品、今から11年前。って微妙。 明智小五郎を仲村トオル、その婚約者を松たか子、二十面相の身代わりをさせられる曲芸師に金城武。盗まれる絵がブリューゲルの「バベルの塔」ってところは今っぽい気もするけど、単純すぎる勧善懲悪とか、金持ち=悪…

田口トモロヲ監督「ピース・オブ・ケイク」2054本目

田口トモロヲ好きなんですよ。監督作品はこれの他に「アイデン&ティティ」「色即ぜねれいしょん」があるけど、とりあえずこれを見てみます。しかし音声レベル低すぎ!ボリュームを普段の、下手すると4倍くらいにしてやっと聞き取れます。なにかの間違いで…

スティーブン・ノムラ・シブル 監督「Ryuichi Sakamoto:CODA」2048本目

坂本龍一の音楽ドキュメンタリー映画。戦場のメリークリスマス〜ラスト・エンペラー、シェルタリング・スカイ、レヴェナント・・・と続く映画音楽の話。YMO時代の話。病気の話。社会活動家としての生活。舞台を降りた普段の彼の暮らしを垣間見させてくれます…

岩井俊二監督「undo」2030本目

1994年の作品。 山口智子はあまりにも童顔で小さい女の子みたいにスレンダーなので、普通大人の女がやるとイタイことでも、彼女がなら「いたいけ」でいじらしく、痛々しさがつのります。ベランダに放置されて死んでしまう5歳の可愛い女の子みたいに。 緊縛シ…

新藤兼人監督「石内尋常高等小学校 花は散れども」2004本目

新藤監督95歳のときの作品。 「午後の遺言状」は好きだけど「一枚のハガキ」はキツかった。この映画もそれに近いものがある。トヨエツと大竹しのぶは小さい頃の二人と容貌が違いすぎるし、だいいちちっともお似合いに見えない。 子どもたちが声を合わせてわ…

平栁敦子監督「オー・ルーシー!」 1970本目

面白くはあるけど、「予想通り」の枠を超えることはなかったなぁ。 設定を見ただけで結末までだいたいわかってしまう。何も知らずに見るのが一番いい、予告編まで見てしまったのは失敗だったけど、それにしても予想がつきすぎてしまう。やっぱり私は、映画に…

白石和彌 監督「孤狼の血」1969本目

ちょっと期待しすぎたかもな。。新作を旬なうちに見るのって、ワクワクするような前評判で頭がいっぱいになってしまって。 ストーリーより、豪華な役者陣の極悪演技をつい楽しんでしまう映画です。役所広司は安定だけどやっぱり凄みがあります。松坂桃李は何…

関口現 監督「SURVIVE STYLE 5+」1964本目

映画中毒の私は、またTSUTAYA宅配でMax16枚を借りて、嬉しそうに1枚1枚見たわけですが、これが一番面白かった。大笑いするし、成り行きが全く予想つかないし、オシャレだしセンスがいいし下らないし。 変な映画、どう変かというとポップでキッチュでカラフル…

新藤兼人 監督「ふくろう」1963本目

新藤兼人の映画を見るの、久しぶり。 <ネタバレあります> この映画は割と晩年の作品。内容は1964年の「鬼婆」の舞台を変えたものなんだけど、こっちは現代劇でコメディ。社会風刺なのか?なかなかアクの強い役どころの大竹しのぶ、飢えそうになっていたの…

行定勲監督「リバーズ・エッジ」1949本目

原作のマンガが連載されてたのは1993-4年だそうだ。単行本を読んだときはとっくに社会人だったはずだけど、少年少女のような気持ちで読んだ記憶がある。怖いマンガだなと思った。二階堂ふみの出る映画は、彼女の存在感が球体みたいに強くて無傷すぎて、「怖…

石井岳龍監督「ソレダケ that’s it」1946本目

全編白黒なのかな。と思ったらトマトが赤かったり。だんだん色づいてくる。 石井岳龍という監督が石井聰亙のことだと初めて知った!なんで、いつ、改名したの?(字を間違えられるから、等とWikipediaとかに書いてあった) 冒頭の新宿西口っぽい、こなれてち…

市川準監督「東京兄妹」1929本目

1995年といえば今から23年も前だから、古くさい感じの街角にクラシックな兄妹が歩いてきてもいいのかと思ったけど、違和感を感じた人も多かったらしい。確かに、その時代はむしろバブルで、こんな枯れすすきな昭和ではなかったはずでした。 兄、妹、小さい写…

若松孝二 監督「千年の愉楽」1917本目

中上健次の原作を読んだら強烈だったので、映画も見てみたいなと思いました。 キャスティングはかなりイメージ通りですね。 女に刺されて死ぬ彦之助に、井浦新。 誰もが振り返るような美男子の半蔵に、高良健吾。 自分からワルの道に突っ走っていく三好に、…

園子温 監督「新宿スワンII」1900本目

2017年の作品。 どういうわけか、新宿スワンの1を撮ったのは園監督だけど、2は違う監督だと思い込んでた。 見た後にも同じことを思っている。これは本当に園子温監督作品? 血みどろの闘争シーンもないし、広瀬アリスのダンスの場面は真剣に作られたという…

山田洋次 監督「たそがれ清兵衛」1892本目

しっとりとした詩情のある映画でした。 大泣きさせるんじゃなく、しんみりとさせておいて、ホイッと最後に視点を変えて昔話みたいに終わったのも、考え抜いてのことだっただろうと思います。 でも、認めたくないなぁとも思う。 上司から言われて人を切ること…

細田守 監督「時をかける少女」1889本目

帰りのキャセイパシフィックの機内で見た2本目。 細田監督の映画ってあまり見ていないな。 タイムトラベラーってこんなお話だっけ?設定以外は原作に沿わないで創作した? 面白かったけど、彼女が「時をかける少女」になった必然性は「その年頃の女の子には…

上田慎一郎 監督「カメラを止めるな!」1874本目

話題のこの映画、やっと見てきました! 日本一?の歓楽街、新宿は歌舞伎町のTOHOシネマズの2番目くらいに大きいスクリーン、満席の観客。 予告編は、私が見ないタイプの、若い役者さんがたくさん出る作品ばかり。 インディペンデント映画だけど、情報番組で…

米林宏昌 監督「メアリと魔女の花」1873本目

面白かった・・・絵も音楽もとてもきれい。 ただ、最初から最後まで、どこかで見たような感じ。 絵の、特に色遣いは割と新鮮なんだけど。俳優を声優に使う試みはもう飽きたけど、杉咲花はとても良いです。すごく可愛くて少女らしい、清潔な声がアニメによく…

関根光才 監督「太陽の塔」1868本目

試写会で見てきました。 大阪万博跡地に残る「太陽の塔」の内部がリニューアル公開されたことはよく知られてるので、その構造や個々のアイテムについて解説するドキュメンタリーかなと思ってたのですが、各界のさまざまな人たち28人が、僕の、私の、太陽の塔…

是枝裕和 監督「三度目の殺人」1857本目

役所広司が画面にいると、安心するような嬉しいような気持ちになる。 きっと面白い映画だから、きっと悪い映画じゃないから。(ただ、無意識のうちに、悪いようで善意の人なんじゃないかと期待している) そして、福山雅治が彼の弁護人。相変わらず爽やかだ…

永井聡 監督「帝一の國」1854本目

面白いっちゃ面白いけど、なんで平均点がこんなに高いのか、ちょっとびっくりしてる。 いい部分は、若い役者さんたちが生き生きしてて皆いい演技。永野芽郁はマドンナ的存在って感じはしないけど、天然な感じは悪くないなぁと思います。でもキャラクターをデ…