映画と人とわたし

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

日本映画(90年代以降)

吉田恵輔 監督「ヒメアノ〜ル」2162本目

<ネタバレあり> 予備知識なしで見てよかった。怖い映画だった。 最初は、早回しで見ようかと思うほど地味なドラマだったけど、真ん中あたりでギュルっとダイヤルが変わる。 配役の妙がありますね。それぞれ、普段からこういう人じゃないことはわかってるの…

佐向大監督「教誨師」2148本目

大杉漣ってやっぱりいいね。まっすぐに、心からの言葉として、役の言葉を言えるのが素晴らしい。この映画は役者さんがみんないいです。五頭岳夫というんですね、あの汚れたトレーナーを着た年配のおじさん。実際いるんだろうな、わるい人たちの悪意をいっぱ…

高橋伴明 監督「愛の新世界」2127本目

楽しかった! 25年前の渋谷の女王様・ホテトル嬢・小劇団といった様々な人々の、欲や見栄や楽しみやモヤモヤ。小劇団系のいろんな人たちが入れ替わり立ち替わり出てるのも楽しい。 萩原流行もいいな・・・。クレジットされてないのにクドカンが出てるし・・…

瀬々敬久 監督「友罪」2126本目

この監督の作品には、「8年越しの花嫁」や「64」があり、「ヘヴンズ・ストーリー」やこの「友罪」がある。私は後者のほうが好きで、この映画は割と良かった。でもタイトルは「友罪」(友のためにおかす罪)じゃなくて「罪友」(罪を負ったものどうし)だよ…

濱口竜介 監督「寝ても覚めても」2123本目

演技経験のほとんどない人たちを使って撮った実験的な「ハッピーアワー」の監督じゃないですか。今回はきっちり作った映画ですね。 東出昌大はいまや定番の若手俳優だけど、相手方の唐田えりかの初々しいこと。こういう、地味めで清楚な子って韓国映画ではよ…

冨永昌敬 監督「パンドラの匣」2107本目

太宰治作品が最近(といっても10年前あたりだけど)映画化されている。人間失格も、ヴィヨンの妻も、斜陽も。歴史は繰り返す。 染谷将太が、比較的アクの少ない「ひばり」と呼ばれる役どころの分、川上未映子の怪演が目立ちます。この人やっぱりなんか変わっ…

山下敦弘 監督「午前3時の無法地帯」2106本目

面白い・・・。同じビルの同じフロアの会社の人たちって、エレベーターで顔を合わせて会釈するだけなのに、妙にいろんな噂話が聞こえてきたりして、近くの他人?という不思議な関係ですよね。その人たちの間に何かが生まれたら?というラブコメです。 専門学…

岡本喜八監督「大誘拐 RAINBOW KIDS」2105本目

なんか懐かしい雰囲気。昭和のころのテレビの娯楽ドラマっぽい。この頃はまだ、木造の昔ながらの納屋のある農家もたくさんあったのかな。 おばあちゃん&誘拐団「レインボウ・キッズ」が主役だと思うんだけど、ジャケットは刑事を演じた緒形拳ひとり。実態は…

品川ヒロシ監督「サンブンノイチ」2101本目

6年も前の映画か。藤原竜也がすでに、おっさんっぽさを身につけている。 「悪魔のエレベーター」は、書店の店頭の熱の入った手書きポップにほだされて買ってみたら、大忙しのどんでん返しだらけで盛り上がりました。同じ人の原作をお笑いの人が演出したのが…

佐々部清 監督「チルソクの夏」2099本目

こういう映画には弱いんだ。リアルに日焼けした、手足の細い女の子たちが、しなやかに、初々しく、走ったりおしゃべりしたりするのを、遠目のカメラで追う。自然にきれいなんだから、普通のままでいい。元気でほっぺがパンパンの上野樹里も可愛いけど、主役…

吉田恵輔 監督「麦子さんと」2093本目

堀北真希ってほわっとしててかわいいんだけど、つかみどころがないなぁ。息が抜けてるというか、腹から声が出ないような。少女っぽい透明さ。これもいいんだけど、グッと腹の据わった演技をするようになるまで、この世界に居残ってくれてもよかったって気も…

細田守監督「未来のミライ」2088本目

可愛くて道徳的でエンタメな映画だった。 何より道徳的。悪いことじゃないですよ。 4歳のくんちゃんに、少し大人になることを学んでもらいながら、少年少女や大人たちもチビの頃を懐かしむ。幼稚園でぜひ見せて欲しい映画です。 道徳的に正しいことを一義的…

入江悠 「ビジランテ」2084本目

全体的に重苦しい。 アウトレットモール誘致に必要な土地をめぐる三兄弟の話なんだけど、家出したあと荒んでた長男の気持ちや事情が全然描かれてなかった。ただ、感情がほとばしりすぎても、私は参ってしまうほうなので、この題材にしてはさらっとした描き方…

越川道夫監督「海辺の生と死」2082本目

音声が小さすぎる映画って、あまり好きになれない。この映画も室内の会話は普通の映画の倍、テレビ番組の3倍くらいまで上げないと言葉として聞けない。原作の特殊で神話的な場面を表現しようとしたのかもしれないけど、それならいっそ田中一村の絵みたいな…

大根仁監督「奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせガール」2081本目

タイトル長すぎ。 なんかマンガっぽい、原作がマンガだからね・・・。多分、面白さもつまらなさも原作の通りなんだろうな。水原希子って、とっても少女っぽいですね。これから大人の女性になっていくような。その辺が、少年の頃の自分を思い出してときめくの…

河瀬直美 監督「Vision」2080本目

河瀬直美の映画は、もういいかも・・・ くだらないとかわからないとか言うつもりはないけど、 土の近くで生きる誰かのスピリチュアルな生活をかいま見ることは、ちっともスピリチュアルな体験ではないから。彼女の言いたいことを理解するには多分もう、彼女…

相原裕美 監督「SUKITA 刻まれたアーティストたちの一瞬」2073本目

なんと、マーク・ボランが自動車事故で亡くなった場所を布袋と鋤田が訪ねるところから始まります。マークがギターで軽く感電して髪が逆立ったあの写真が、彼のスタート地点。 鋤田氏って朴訥なたたずまいで、誠実な話し方をする人ですね。パンクスみたいな人…

鈴木浩介 監督「ケアニン あなたでよかった」2072本目

いい映画だったなー。 別にやりたいこともないので、専門学校を出て介護職についてみた青年。日本中のどこにでもいます。ずっと元気だと思っていたのに、気づいたら認知症が進んでいたおばあちゃん。これも日本中のどこにもいます。彼らが介護施設で生活を共…

小松莊一良 監督「フジコ・ヘミングの時間」2071本目

不思議な人だ。初めて見聞きしたときは、なんだか怖いおばちゃんだなぁ、とか、なんて気の毒な人だろう、とか思ったけど、人間って、というか彼女は多分、私ごときが心配するほど虚弱ではなくて、神様から何かとてつもなく美しいものを持たされて地球に落ち…

長井龍雪 監督「劇場版 あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」2064本目

もともとTVシリーズだったもののダイジェスト版に、多少コンテンツを追加したものだそうです。だから、設定はわかっても、成り行きがすごくわかりにくい。じわじわと共感できないので、気の優しい女の子が、傷つくことを言われた直後に何らかの事故で亡くな…

吉田恵輔監督「さんかく」2060本目

2010年の作品。怖い映画だったわ〜 こうならないといいな、こうはなりたくないな、というのがどんどんエスカレートしてくと、最後こうなります、っていう映画。 小野恵令奈(この時まだ16くらい)って元AKBらしいのですが、ハラハラするくらいの幼いファム・…

佐藤嗣麻子監督「K-20 怪人二十面相・伝」 2059本目

2008年の作品、今から11年前。って微妙。 明智小五郎を仲村トオル、その婚約者を松たか子、二十面相の身代わりをさせられる曲芸師に金城武。盗まれる絵がブリューゲルの「バベルの塔」ってところは今っぽい気もするけど、単純すぎる勧善懲悪とか、金持ち=悪…

田口トモロヲ監督「ピース・オブ・ケイク」2054本目

田口トモロヲ好きなんですよ。監督作品はこれの他に「アイデン&ティティ」「色即ぜねれいしょん」があるけど、とりあえずこれを見てみます。しかし音声レベル低すぎ!ボリュームを普段の、下手すると4倍くらいにしてやっと聞き取れます。なにかの間違いで…

スティーブン・ノムラ・シブル 監督「Ryuichi Sakamoto:CODA」2048本目

坂本龍一の音楽ドキュメンタリー映画。戦場のメリークリスマス〜ラスト・エンペラー、シェルタリング・スカイ、レヴェナント・・・と続く映画音楽の話。YMO時代の話。病気の話。社会活動家としての生活。舞台を降りた普段の彼の暮らしを垣間見させてくれます…

岩井俊二監督「undo」2030本目

1994年の作品。 山口智子はあまりにも童顔で小さい女の子みたいにスレンダーなので、普通大人の女がやるとイタイことでも、彼女がなら「いたいけ」でいじらしく、痛々しさがつのります。ベランダに放置されて死んでしまう5歳の可愛い女の子みたいに。 緊縛シ…

新藤兼人監督「石内尋常高等小学校 花は散れども」2004本目

新藤監督95歳のときの作品。 「午後の遺言状」は好きだけど「一枚のハガキ」はキツかった。この映画もそれに近いものがある。トヨエツと大竹しのぶは小さい頃の二人と容貌が違いすぎるし、だいいちちっともお似合いに見えない。 子どもたちが声を合わせてわ…

平栁敦子監督「オー・ルーシー!」 1970本目

面白くはあるけど、「予想通り」の枠を超えることはなかったなぁ。 設定を見ただけで結末までだいたいわかってしまう。何も知らずに見るのが一番いい、予告編まで見てしまったのは失敗だったけど、それにしても予想がつきすぎてしまう。やっぱり私は、映画に…

白石和彌 監督「孤狼の血」1969本目

ちょっと期待しすぎたかもな。。新作を旬なうちに見るのって、ワクワクするような前評判で頭がいっぱいになってしまって。 ストーリーより、豪華な役者陣の極悪演技をつい楽しんでしまう映画です。役所広司は安定だけどやっぱり凄みがあります。松坂桃李は何…

関口現 監督「SURVIVE STYLE 5+」1964本目

映画中毒の私は、またTSUTAYA宅配でMax16枚を借りて、嬉しそうに1枚1枚見たわけですが、これが一番面白かった。大笑いするし、成り行きが全く予想つかないし、オシャレだしセンスがいいし下らないし。 変な映画、どう変かというとポップでキッチュでカラフル…

新藤兼人 監督「ふくろう」1963本目

新藤兼人の映画を見るの、久しぶり。 <ネタバレあります> この映画は割と晩年の作品。内容は1964年の「鬼婆」の舞台を変えたものなんだけど、こっちは現代劇でコメディ。社会風刺なのか?なかなかアクの強い役どころの大竹しのぶ、飢えそうになっていたの…