映画と人とわたし

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

ヨーロッパ映画(80年代まで)

イングマール・ベルイマン監督「仮面ペルソナ」1842本目

1967年の作品。 頭から攻めてきます。白黒の硬質な映像(スヴェン・ニクヴィストって、芸術家ですよね〜!)、写っているのは動物や人間の虐待なのか。音楽もクラシック音楽の楽器をランダムに鳴らす感じの現代音楽がタイトルに被さります。巨匠の若かりし頃…

ルキノ・ヴィスコンティ監督「ベニスに死す」1839本目

イタリア・フランスの映画だけど言語は英語。ドイツ人がイタリアのベニスを訪ねているという設定なので、英語になるってことかな。1971年、思ったほど昔の作品ではなくて、美少年を演じたビヨルン・アンドレセンは現在まだ65歳らしい。 というか原作者のトー…

アンリ・コルピ 監督「かくも長き不在」1830本目

1960年に作られたフランス映画。 冒頭からスタイリッシュ。無駄がなくスラッとしてる。 リマスター版といっても60年近く前の映像なのに、すごくクリアで本当に綺麗です。そのフランスの街角に今自分がいるみたい。そんな生々しい映像の中のアリダ・ヴァリは…

インドゥジヒ・ポラーク 監督「イカリエ XB1」1809本目

1963年、50年以上前の大昔の映画です。 日本では円谷プロの「ウルトラQ」が1966年。アメリカでは「スタートレック」が1966年開始、「2001年宇宙の旅」が驚愕の1968年だけど、どの作品よりも早いチェコ映画。そして原作は(かなり二次創作されているとはいえ…

イングマール・ベルイマン監督「蛇の卵」1798本目

1977年に制作された作品。 これはスウェーデンではなくドイツとアメリカで作られた作品らしい。 みんな英語をしゃべってるのが、不思議な感じ。 特にリヴ・ウルマンがなんかいつもと別の人みたいです。スウェーデンで作られる白黒作品では、彼女は無表情で受…

フランソワ・トリュフォー 監督「柔らかい肌」1791本目

1964年のフランス映画。 フランソワーズ・ドルレアックが美しすぎる・・・。 まだうら若いお嬢ちゃんなのに、完成されすぎていて「可愛い」って言えない。飛行機の着陸が近づいてきて、当時でいう”スチュワーデス”の彼女が、機内用のフラットな靴からハイヒ…

フランソワ・トリュフォー 監督「日曜日が待ち遠しい!」1786本目

1982年の作品なのでそれほど古くはないけど、さっき見たばかりの「砂塵」1939年よりDVDの画質が悪い。デジタル・リマスター版があればいいのに。冒頭のハンサムはもしや、と思ったらジャンルイ・トランティニャンだった。52歳にしてこの色気。そしてトリュフ…

デイヴィッド・リーン 監督「ドクトル・ジバゴ」1779本目

厚いコート、毛皮の帽子、全体的に黒が強い画面。言われなくてもロシアが舞台だとわかります。 アンナ・カレーニナみたいな感じ。でもロシア人が出てない。みんな英語を喋ってる。ということから、革命ばんざい、ではない映画だと予想できます。 それにして…

ジャック・ドゥミー 監督「ロシュフォールの恋人たち」1778本目

ミファソラ〜ミレ、レミファソッソッソッレド〜1966年のフランス映画。 冒頭の筋肉質な男女の揃ったダンス、これって「ウエストサイド物語」(1961)のフランス版? 似てると思ったら本物のジョージ・チャキリスが出てるのか。フランス語しゃべれるの?(※吹…

アンリ・ヴェルヌイユ監督「ヘッドライト」1753本目

悲しいお話だったわ・・・。 妻子ある男に恋をしてはいけないっていう教訓なんでしょうか・・・(←いつも教訓とか言うな、私) パパに冷たい妻子ではあるけど、何十年も連れ添った夫婦でラブラブだったらその方が珍しくて、このくらいが普通だと思う。きちん…

アンリ・ヴェルヌイユ 監督「地下室のメロディー」1749本目

1963年のフランス映画。この映画むかーし見た。と、ラストシーンに近くに連れて思い出しました。 このラストシーンは、「太陽がいっぱい」だとなぜか思ってた。プールで不自然に横になるアラン・ドロン。 どっちにしても・・・ドラマチックで見事なラストシ…

ルイス・ブニュエル監督「ビリディアナ」1745本目

1961年のカンヌ、パルムドール。 ルイス・ブニュエルの映画に出てくる人たちは濃いんだよなぁ。眉とか目力とか。この映画の場合、修道女から普通の女へと身をおとしていくビリディアナを演じるシルヴィア・ピナルの、思い込みの激しささえ感じさせる純粋な目…

リチャード・フライシャー 監督「10番街の殺人」1734本目

1971年のイギリス映画。 たちこめるイギリスっぽさ。 殺人シーンから始まるので、最初から犯人とわかっている男のずるさと悪どさで、見ているのが不愉快でたまらなくなります。 しかし実話ってひどいな・・・。「切り裂きジャック」も実話だし、この事件では…

クリスチャン・ジャック監督「パルムの僧院」1731本目

ジェラール・フィリップ王子が主演の、見逃していた名作。 TSUTAYAで以前はVHSをレンタルしてたけど、店頭から消えてしまい、幻なのか?と思っていたら廉価版DVDが出てたので買いました。1000円くらいかなぁ。相変わらずの、全女性にもてて全男性を敵に回し…

ルイ・マル監督「ルシアンの青春」1718本目

1973年の作品。 ゲシュタポが狙っているのは無垢で染まりやすい、日常に不満を持った若者だ。ルシアンは、ヤクザに誘われた少年のように、ISに取り込まれた少年のように、あっさりと染まっていく。素敵な女の子に出会えばすぐに声をかける。追っ手が来れば逃…

ルイス・ブニュエル監督「エル」1713本目

何十年も前に、淀川長治の洋画ベスト100か何かでこの映画の名前を見たことがあって、いつか見たいと思っていました。TSUTAYAの店舗にVHSがあったので借りて見ることができました!1952年のメキシコ映画。見たところスペイン人のスペイン語の映画だけど、スペ…

アキ・カウリスマキ監督「罪と罰」1701本目

結構古くて1983年の作品。 これは一見、怖い映画っぽい?いや、本当に怖い映画なのか。 ちゃんとドストエフスキーの「罪と罰」が原作のようです。 ラスコーリニコフ改めラヒカイネン、嫌味な知能犯ではあるんだろうけど、冷めて乾いてちょっと荒れているので…

エミール・クストリッツァ監督「パパは、出張中!」1691本目

これも面白かった。 寓話的世界を描くのがうまい監督ですね。 「出張」は、「出張」じゃなかった。 マリク君はぷくぷくして幸せそうな坊やだけど、色んなことで結構傷ついてる。夜になると、大好きな女の子の夢をみる・・・実は体の方も歩いて彼女のところに…

テオ・アンゲロプロス 監督「アレクサンダー大王」1689本目

この監督の映画の、静かに祝祭的で民話のような感じが好きなんだけど、この映画はちょっと難しかったなぁ。静かすぎるのかな。 アレクサンダーって「大王」じゃなくて「偉大なる脱走者」なんじゃないの?その辺の違和感もなんだかずっと気になってしまったの…

ルイス・ブニュエル監督「ブルジョワジーの密かな愉しみ」1688本目

1972年、45年も前の映画! タイトルからしてワクワクしますね。フランス映画でこのタイトルなら、相当皮肉の効いた作品に決まってます。 お高くとまった夫婦たちと、慇懃さを演じ続ける召使いたち。考えてみればこういう生活自体がお芝居みたいで可笑しい。…

ドン・アラン・ペネベーカー 監督「デビッド・ボウイ ジギー・スターダスト」1678本目

1973年、ロンドンのハマースミス・オデオンでのライブのドキュメンタリー映画。 いくら見ても異形のルックスだよな〜。 私はマーク・ボラン派なので(※注、リアルタイムではない)ボウイの当時の写真はあまり見たことがなかったんだけど、宇宙人めいててこわ…

ベルナルド・ベルトルッチ 監督「ラストタンゴ・イン・パリ」1677本目

1972年のイタリア映画。でも言語は半分英語、半分フランス語。 ベルトリッチ・・・一番好きなのは「1900年」だなぁ。「シェルタリング・スカイ」や「リトル・ブッダ」・・・よりもこの映画は浸れなかったです。たまたま巡り合った中年男性と若い娘の関係って…

アンドレイ・タルコフスキー監督「サクリファイス」1670本目

これがタルコフスキー監督最後の作品。少ない!でもどれも長い! セリフ多い!耳でひとことも聞き取れない言語でこれは、なかなかの集中力を要求します。 このセリフの多さ、理屈っぽさ。理屈っぽいのに”意識高い”かんじがなくて、土着の哲学を語ってるよう…

フリッツ・ラング監督「ドクトル・マブゼ」1665本目

1922年のドイツ映画。 どんなに古くても夢中になって見られるけど、サイレント映画はきつかった・・・。 フリッツラングだけど、怪人も狂人も出てこないドラマだから。 しかも3時間もあるし、VHSで画質がすごいから。なんとか数日かけて最後まで見たけど、…

アンドレイ・タルコフスキー 監督「アンドレイ・ルブリョフ」1663本目

1969年の作品。 そろそろ私は、タルコフスキー監督は天才ではないかと思い始めてる。(すみません、いまさら) この映画も冒頭からなんだか凄まじく美しくて鋭いんだよね。 ロシア語って一文字もわからないけど。一部のゆるみもない映像。どこを切り取っても…

アンドレイ・タルコフスキー 監督「ストーカー」1657本目

1979年の作品。 ソビエト的な執念深さに惹かれる。 虚飾のない、鉄骨ばかりのゴツゴツした街とか。人物たちの険しい表情、顔に必ず刻まれている深い皺。 感情を配したカメラとあいまって、ストーリーを見なくても美しい。 ひたすらトロッコ列車で移動するだ…

パトリス・ルコント監督「仕立て屋の恋」1655本目

92分の「秋のソナタ」のあとに、もっと短い「仕立て屋の恋」を見てみる。 「髪結いの亭主」も日本の大人向けの小説みたいに域でロマンチックなタイトルと内容だったけど、これもそうかな、と期待する。期待しつつも、仕立て屋の恋といえば朝ドラ「カーネーシ…

イングマール・ベルイマン監督「秋のソナタ」1654本目

イングリッド・バーグマン!大変美しいおばさまだと思ったけど、声が渋くて誰だかわからなかった。このとき63歳。 昨日見た白黒映画「恥(1968年)」に出ていたリヴ・ウルマンが、10年後のこの作品でもまるでお嬢ちゃんのような感じなのも驚異的な若さ。この…

イワン・プィリエフ 監督「カラマーゾフの兄弟」1653本目

1968年のソビエト映画。もちろんVHS。2本組で3時間52分!だけど、原作は文庫本で5冊だからなぁ。 これでも相当はしょっていて、いきなり長老の居所でのカラマーゾフ家族会議から始まります。 原作を読んでから、あるいはストーリーを知った上で名場面を…

イングマール・ベルイマン監督「恥」1648本目

1968年の作品。 マックス・フォン・シドーとリヴ・ウルマン、そろそろ私も見慣れてきました。 戦争のため楽団が解散して島にこもった演奏家夫婦が、戦乱に巻き込まれてしまう。戦闘機から降りてきたパラシュートを見に行ったことで敵に通じていると疑われ、…