映画と人とわたし

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

ヨーロッパ映画(80年代まで)

スティーヴン・フリアーズ監督「マイ・ビューティフル・ランドレット」2008本目

「あなたを抱きしめる日まで」と同じ監督だ。知らずに一緒に借りてた。タイトルは「僕の素敵なコインランドリー」かな。発音はランドレットより「ローンドレット」の方が近い? パキスタンってインドの西で、名前がオマールってことはイスラム教の国か。(東…

ロジェ・ヴァディム監督「バーバレラ」2001本目

うわ〜。何このオープニング!未だかつてないな、これ。 防音用みたいなフェルトを厚く張った室内に、ルノアールの絵や彫像が飾られている。が、そこはなぜか無重力空間。外から戻ってきたばかりの宇宙服の人間がまず手袋を取ると、しなやかで美しい女の手。…

「エヴァの匂い」1991本目

先日イザベル・ユペール&ギャスパー・ウリエル版を見たら、これも見なきゃと思いました。 1963年に作られたこちらはジャンヌ・モロー31歳。高級娼婦イザベル・ユペール65歳はセクシーというより知的な魔女みたいだったけど、モローも意外と色っぽいって感じ…

アンリ・ヴェルヌイユ 監督「禁断の木の実」1985本目

ヴェルヌイユ監督の作品は、「地下室のメロディー」「ダンケルク」「ヘッドライト」と見てこれが4本目。この作品が一番古くて1952年、長編デビュー作なのかな。 主役は「フェルナンデル」・・・姓は?と思ったら、これが芸名のコメディアンだったんですね。…

ハイアム・ジョーンズ監督「カプリコン・1」1977本目

面白いし、怖い映画ですね。 NASAが当初は協力すると言っておきながら、途中から拒絶したとか、イギリスで最初に上映されたとか、因縁たっぷりの映画です。これを見て誰もがアポロ11号がフェイクだったという、まことしやかな噂を思い出すわけですよね。(し…

エミール・クストリッツァ監督「ジプシーのとき」1967本目

この監督の日本公開2作目だけど、最初の「パパは、出張中!」 ですでにパルムドールを取ってるので貫禄たっぷり。そしてそのあとの監督の映画世界にとって重要なジプシーの世界との出会いでもあります。 彼らの暮らしの私たちとの違いは、「貧しさ」とか「…

ジム・シェリダン 監督「マイ・レフト・フット」1961本目

1989年のイギリス映画。・・・ここまで聞いて私はきっとサッカー選手の「黄金の左足」の映画だと思いました。全然違った! この映画でのダニエル・デイ・ルイスの演技がすごいって聞いてたけど、本当にすごい。「バリバラ」のおかげで脳性まひの人たちがワル…

フェデリコ・フェリーニ 監督「ジンジャーとフレッド」1935本目

冒頭の老婦人に見え覚えがあります。「道」でジェルソミーナを演じたジュリエッタ・マシーナです。このあふれ出る知性、常に何か考えている瞳、抑えても出てくる鋭い言葉。やっぱりこの人は若い頃から頭の弱い演技は無理だと思う。(「道」でそれでもみんな…

アルベール・ラモリス 監督「白い馬」1923本目

「赤い風船」より4年前の作品。色がテーマだけど、こっちは白黒。白黒映画で「赤」は表現できないけど、白ならありなんだよなぁ。 優しげな、サラブレッドではない馬たちが主役だけど、なんだか西部劇のような感じもします。「赤い風船」のような牧歌的な感…

アルベール・ラモリス 監督「赤い風船」1922本目

1956年のフランス映画。 浅田美代子がアイドル歌手として1973年にデビューしたときの歌のタイトルが「赤い風船」だったんだけど(うちにシングルがあった)、これはやっぱりこの映画がベースにあるんだろうか。。 パスカルくんが学校に入る前に預けたはずの…

フランクリン・J・シャフナー 監督「パピヨン」1921本目

「ブラジルから来た少年」が面白かったので、同じ監督の映画を探して見てみました。 結構ワクワクしながら見たんだけど、スティーブ・マックイーンが・・・なんとひどい拷問のような牢獄に入れられているんでしょう。これはまるで安政の大獄だ。あの独房は、…

テレンス・フィッシャー 監督「吸血鬼ドラキュラ」1919本目

1958年の作品。当然のようにカラー作品です。もっと古い、1920年代とか30年代の作品かと思ってた。クリストファー・リーの、のちの現役時代の映画もけっこう見てるのにね。 なんとも英国的、紳士的な映画ですね。ドラキュラ伯爵も、司書も、彼の婚約者の兄も…

エリック・ロメール監督「緑の光線」1909本目

なんだこの映画・・・ノンフィンクションみたいだ。普通にOLのような人たち、普通に年金生活者のような老人、キャッキャ言ってる赤ちゃんを抱いたお母さんたちが、現場音のまま日常的にお話をしてる。 バカンス先で食肉批判をしたりドストエフスキーを読んだ…

セス・ホルト監督「恐怖」1907本目

1961年のイギリス映画。白黒の、ヒッチコック映画みたいに緊張感のある画面。 冒頭で湖から引き上げられる女性は誰なのか?嫌な予感しかしない映画の始まりです。 感じやすい少女、その父はなぜか突然姿を消していて、家に入り込んでいるのはクリストファー…

フランクリン・J・シャフナー 監督「ブラジルから来た少年」1904本目

1978年のイギリス映画だけど、日本で劇場公開はされてないらしい。 出演者みんな強い英国アクセントで、すごく英国的な映画です。そして、グレゴリー・ペック62歳、ローレンス・オリヴィエ71歳、ジェームズ・メイソン75歳といった往年の大スターたちの共演。…

ジャン・ジャック・ベネックス 監督「ベティ・ブルー インテグラル」1903本目

まだ見てなかったのが意外。若い頃の私が見そうな映画なのに、存在を忘れてた。やっと借りてきました。 で、感想だけど、いい。この映画、良いです。 ロクデナシたちのバカみたいに純粋な愛、って最高にいい。 ベティの天衣無縫な可愛さは、ハラハラしながら…

ルイス・ブニュエル 監督「昼顔」1872本目

1967年の作品。カトリーヌ・ドヌーヴは美しくて端正で大人っぽいので、若いけど、初々しさや戸惑いがあんまり見て取れないんですよね。感情の起伏があまりないように見える。もっと若い彼女を「シェルブールの雨傘」と「反撥」で見たときには、弱々しいって…

ルキノ・ヴィスコンティ 監督「山猫 イタリア語・完全復元版」1864本目

あれ、イタリア映画かと思ったらイタリア語の口パクだ。 主役がバート・ランカスターなので、英語で話してたのかな。しかし何という耽美の世界。強烈な色彩とか完璧な造形とか、美しさの質がイタリアらしいです。血の匂いがするような。黒が効いています。黒…

イングマール・ベルイマン監督「仮面ペルソナ」1842本目

1967年の作品。 頭から攻めてきます。白黒の硬質な映像(スヴェン・ニクヴィストって、芸術家ですよね〜!)、写っているのは動物や人間の虐待なのか。音楽もクラシック音楽の楽器をランダムに鳴らす感じの現代音楽がタイトルに被さります。巨匠の若かりし頃…

ルキノ・ヴィスコンティ監督「ベニスに死す」1839本目

イタリア・フランスの映画だけど言語は英語。ドイツ人がイタリアのベニスを訪ねているという設定なので、英語になるってことかな。1971年、思ったほど昔の作品ではなくて、美少年を演じたビヨルン・アンドレセンは現在まだ65歳らしい。 というか原作者のトー…

アンリ・コルピ 監督「かくも長き不在」1830本目

1960年に作られたフランス映画。 冒頭からスタイリッシュ。無駄がなくスラッとしてる。 リマスター版といっても60年近く前の映像なのに、すごくクリアで本当に綺麗です。そのフランスの街角に今自分がいるみたい。そんな生々しい映像の中のアリダ・ヴァリは…

インドゥジヒ・ポラーク 監督「イカリエ XB1」1809本目

1963年、50年以上前の大昔の映画です。 日本では円谷プロの「ウルトラQ」が1966年。アメリカでは「スタートレック」が1966年開始、「2001年宇宙の旅」が驚愕の1968年だけど、どの作品よりも早いチェコ映画。そして原作は(かなり二次創作されているとはいえ…

イングマール・ベルイマン監督「蛇の卵」1798本目

1977年に制作された作品。 これはスウェーデンではなくドイツとアメリカで作られた作品らしい。 みんな英語をしゃべってるのが、不思議な感じ。 特にリヴ・ウルマンがなんかいつもと別の人みたいです。スウェーデンで作られる白黒作品では、彼女は無表情で受…

フランソワ・トリュフォー 監督「柔らかい肌」1791本目

1964年のフランス映画。 フランソワーズ・ドルレアックが美しすぎる・・・。 まだうら若いお嬢ちゃんなのに、完成されすぎていて「可愛い」って言えない。飛行機の着陸が近づいてきて、当時でいう”スチュワーデス”の彼女が、機内用のフラットな靴からハイヒ…

フランソワ・トリュフォー 監督「日曜日が待ち遠しい!」1786本目

1982年の作品なのでそれほど古くはないけど、さっき見たばかりの「砂塵」1939年よりDVDの画質が悪い。デジタル・リマスター版があればいいのに。冒頭のハンサムはもしや、と思ったらジャンルイ・トランティニャンだった。52歳にしてこの色気。そしてトリュフ…

デイヴィッド・リーン 監督「ドクトル・ジバゴ」1779本目

厚いコート、毛皮の帽子、全体的に黒が強い画面。言われなくてもロシアが舞台だとわかります。 アンナ・カレーニナみたいな感じ。でもロシア人が出てない。みんな英語を喋ってる。ということから、革命ばんざい、ではない映画だと予想できます。 それにして…

ジャック・ドゥミー 監督「ロシュフォールの恋人たち」1778本目

ミファソラ〜ミレ、レミファソッソッソッレド〜1966年のフランス映画。 冒頭の筋肉質な男女の揃ったダンス、これって「ウエストサイド物語」(1961)のフランス版? 似てると思ったら本物のジョージ・チャキリスが出てるのか。フランス語しゃべれるの?(※吹…

アンリ・ヴェルヌイユ監督「ヘッドライト」1753本目

悲しいお話だったわ・・・。 妻子ある男に恋をしてはいけないっていう教訓なんでしょうか・・・(←いつも教訓とか言うな、私) パパに冷たい妻子ではあるけど、何十年も連れ添った夫婦でラブラブだったらその方が珍しくて、このくらいが普通だと思う。きちん…

アンリ・ヴェルヌイユ 監督「地下室のメロディー」1749本目

1963年のフランス映画。この映画むかーし見た。と、ラストシーンに近くに連れて思い出しました。 このラストシーンは、「太陽がいっぱい」だとなぜか思ってた。プールで不自然に横になるアラン・ドロン。 どっちにしても・・・ドラマチックで見事なラストシ…

ルイス・ブニュエル監督「ビリディアナ」1745本目

1961年のカンヌ、パルムドール。 ルイス・ブニュエルの映画に出てくる人たちは濃いんだよなぁ。眉とか目力とか。この映画の場合、修道女から普通の女へと身をおとしていくビリディアナを演じるシルヴィア・ピナルの、思い込みの激しささえ感じさせる純粋な目…