映画と人とわたし

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

ヨーロッパ映画(80年代まで)

イェジー・スコリモフスキー 監督「早春」2110本目

1970年のイギリス映画。(否、監督自身がDVD収録のインタビューで、アメリカと西ドイツの合作だと言ってる) 「エロティックな青春」系の甘酸っぱい映画かなと思って途中まで見てたけど、よく見ると「11ミニッツ」で私の度肝を抜いた老監督の監督デビュー…

ジャン・リュック・ゴダール監督「彼女について私が知っている二三の事柄」 2087本目

「グッバイ・ゴダール」で白日のもとに晒されたばかりの、厭世的な気取り屋ゴダールの作品です。「彼女」マリア・ヴロディの存在感に目を奪われます。イングマール・ベルイマンの映画に出てくる美しくて大きい女のような存在感。ゴダールのミューズは少女の…

アラン・ロブ=グリエ 監督「危険な戯れ」2083本目

よくわからない映画だったなぁ・・何を描きたいのかが伝わってこない映画でした。 美少女が何人も全裸でうろうろしていて、いやらしい感じじゃないんだけど、その周りの大人の男たちは買春してるわけだから、いやらしい映画なんだろう。 でもなんでこんな映…

ヴェルナー・ヘルツォーク 監督「カスパー・ハウザーの謎」2058本目

Amazonプライムのリストを見てたらこれがあって、何十年も前に聞いたようなタイトルに、昔のかすかな記憶を刺激されて借りてみました。ただし借りたのはTSUTAYA宅配レンタルです(今はこっちが少し安い)。今この映画みる人っているんだろうか。 ジャケット…

カレル・ライス 監督「裸足のイサドラ」2047本目

1969年のイギリス映画。 ヴァネッサ・レッドグレイヴって、私がリアルタイムで見たのは「ハワーズ・エンド」の母親役、最近では老婦人役が多いので、彼女の若い頃の美しさに触れられてちょっと感動します。ジェームズ・フォックスがこれにも出てる。(さっき…

ルイス・ギルバート監督「アルフィー」2045本目

マイケル・ケインの若い頃、いいなぁ!スリムでインチキ臭くて、きれいで調子が良くて最低の優男。話しかけて欲しくないけど、ずっと遠くで見ていたい。ロンドン訛りも大変チャーミングです。 光源氏ばりのプレイボーイ、アルフィーは気ままに女性遍歴を重ね…

ベルナルド・ベルトリッチ監督「暗殺の森」2039本目

1970年のイタリア映画。 ジャンルイ・トランティニャンがイタリア語しゃべってる。口パクかな?ちょっと声が太い気もする。彼が演じるのは、ありていに言うと悪い男です。過去のひどいトラウマのために冷血な暗殺者になった・・・といっても、彼がそれで苦し…

ヴィム・ヴェンダース監督「アメリカの友人」2026本目

1977年のドイツ映画。まだ健在なデニス・ホッパーの、うさん臭さが嬉しい。で、この額縁屋ヨナタン、ブルーノ・ガンツなんですね?1944年生まれでこのとき33歳。にしては落ち着いてるけど43歳のときの「ベルリン天使の詩」ではさらに圧倒的な静けさがある。5…

フランチェスコ・ロージ監督「シシリーの黒い霧」2019本目

1962年のイタリア映画。この監督の映画は「予告された殺人の記録」しか見てないけど、あれはよかった。この映画も、白黒なのに汗がムンムンするような中庭に横たわる死体から始まり、ラテン系の人たちにしかない「濃さ」を感じさせながら始まります。 いいで…

ロベール・ブレッソン 監督「バルタザールどこへ行く」2018本目

最初から最後まで誰も笑わない・・・北欧の映画かしら?とクレジットを見ると「スウェーデン、フランス」となってる。どういう状況で作られたんだろう。 この映画は、ロバのバルタザールがすごく可愛くて、アンヌ・ヴィアゼムスキーが暗すぎる美少女で目を奪…

グスターヴ・モランデル 監督「スウェーデンイェルム家」2011本目

うわ〜、なんて古い映画なの。(1935年のスウェーデン映画) スウェーデンイェルムさんという没落貴族一家の大黒柱は科学者で、特許ライセンス収入で一家を養っています。特許が切れそうになっているので、ノーベル賞の受賞を毎年待ち続けているのは、金遣い…

スティーヴン・フリアーズ監督「マイ・ビューティフル・ランドレット」2008本目

「あなたを抱きしめる日まで」と同じ監督だ。知らずに一緒に借りてた。タイトルは「僕の素敵なコインランドリー」かな。発音はランドレットより「ローンドレット」の方が近い? パキスタンってインドの西で、名前がオマールってことはイスラム教の国か。(東…

ロジェ・ヴァディム監督「バーバレラ」2001本目

うわ〜。何このオープニング!未だかつてないな、これ。 防音用みたいなフェルトを厚く張った室内に、ルノアールの絵や彫像が飾られている。が、そこはなぜか無重力空間。外から戻ってきたばかりの宇宙服の人間がまず手袋を取ると、しなやかで美しい女の手。…

「エヴァの匂い」1991本目

先日イザベル・ユペール&ギャスパー・ウリエル版を見たら、これも見なきゃと思いました。 1963年に作られたこちらはジャンヌ・モロー31歳。高級娼婦イザベル・ユペール65歳はセクシーというより知的な魔女みたいだったけど、モローも意外と色っぽいって感じ…

アンリ・ヴェルヌイユ 監督「禁断の木の実」1985本目

ヴェルヌイユ監督の作品は、「地下室のメロディー」「ダンケルク」「ヘッドライト」と見てこれが4本目。この作品が一番古くて1952年、長編デビュー作なのかな。 主役は「フェルナンデル」・・・姓は?と思ったら、これが芸名のコメディアンだったんですね。…

ハイアム・ジョーンズ監督「カプリコン・1」1977本目

面白いし、怖い映画ですね。 NASAが当初は協力すると言っておきながら、途中から拒絶したとか、イギリスで最初に上映されたとか、因縁たっぷりの映画です。これを見て誰もがアポロ11号がフェイクだったという、まことしやかな噂を思い出すわけですよね。(し…

エミール・クストリッツァ監督「ジプシーのとき」1967本目

この監督の日本公開2作目だけど、最初の「パパは、出張中!」 ですでにパルムドールを取ってるので貫禄たっぷり。そしてそのあとの監督の映画世界にとって重要なジプシーの世界との出会いでもあります。 彼らの暮らしの私たちとの違いは、「貧しさ」とか「…

ジム・シェリダン 監督「マイ・レフト・フット」1961本目

1989年のイギリス映画。・・・ここまで聞いて私はきっとサッカー選手の「黄金の左足」の映画だと思いました。全然違った! この映画でのダニエル・デイ・ルイスの演技がすごいって聞いてたけど、本当にすごい。「バリバラ」のおかげで脳性まひの人たちがワル…

フェデリコ・フェリーニ 監督「ジンジャーとフレッド」1935本目

冒頭の老婦人に見え覚えがあります。「道」でジェルソミーナを演じたジュリエッタ・マシーナです。このあふれ出る知性、常に何か考えている瞳、抑えても出てくる鋭い言葉。やっぱりこの人は若い頃から頭の弱い演技は無理だと思う。(「道」でそれでもみんな…

アルベール・ラモリス 監督「白い馬」1923本目

「赤い風船」より4年前の作品。色がテーマだけど、こっちは白黒。白黒映画で「赤」は表現できないけど、白ならありなんだよなぁ。 優しげな、サラブレッドではない馬たちが主役だけど、なんだか西部劇のような感じもします。「赤い風船」のような牧歌的な感…

アルベール・ラモリス 監督「赤い風船」1922本目

1956年のフランス映画。 浅田美代子がアイドル歌手として1973年にデビューしたときの歌のタイトルが「赤い風船」だったんだけど(うちにシングルがあった)、これはやっぱりこの映画がベースにあるんだろうか。。 パスカルくんが学校に入る前に預けたはずの…

フランクリン・J・シャフナー 監督「パピヨン」1921本目

「ブラジルから来た少年」が面白かったので、同じ監督の映画を探して見てみました。 結構ワクワクしながら見たんだけど、スティーブ・マックイーンが・・・なんとひどい拷問のような牢獄に入れられているんでしょう。これはまるで安政の大獄だ。あの独房は、…

テレンス・フィッシャー 監督「吸血鬼ドラキュラ」1919本目

1958年の作品。当然のようにカラー作品です。もっと古い、1920年代とか30年代の作品かと思ってた。クリストファー・リーの、のちの現役時代の映画もけっこう見てるのにね。 なんとも英国的、紳士的な映画ですね。ドラキュラ伯爵も、司書も、彼の婚約者の兄も…

エリック・ロメール監督「緑の光線」1909本目

なんだこの映画・・・ノンフィンクションみたいだ。普通にOLのような人たち、普通に年金生活者のような老人、キャッキャ言ってる赤ちゃんを抱いたお母さんたちが、現場音のまま日常的にお話をしてる。 バカンス先で食肉批判をしたりドストエフスキーを読んだ…

セス・ホルト監督「恐怖」1907本目

1961年のイギリス映画。白黒の、ヒッチコック映画みたいに緊張感のある画面。 冒頭で湖から引き上げられる女性は誰なのか?嫌な予感しかしない映画の始まりです。 感じやすい少女、その父はなぜか突然姿を消していて、家に入り込んでいるのはクリストファー…

フランクリン・J・シャフナー 監督「ブラジルから来た少年」1904本目

1978年のイギリス映画だけど、日本で劇場公開はされてないらしい。 出演者みんな強い英国アクセントで、すごく英国的な映画です。そして、グレゴリー・ペック62歳、ローレンス・オリヴィエ71歳、ジェームズ・メイソン75歳といった往年の大スターたちの共演。…

ジャン・ジャック・ベネックス 監督「ベティ・ブルー インテグラル」1903本目

まだ見てなかったのが意外。若い頃の私が見そうな映画なのに、存在を忘れてた。やっと借りてきました。 で、感想だけど、いい。この映画、良いです。 ロクデナシたちのバカみたいに純粋な愛、って最高にいい。 ベティの天衣無縫な可愛さは、ハラハラしながら…

ルイス・ブニュエル 監督「昼顔」1872本目

1967年の作品。カトリーヌ・ドヌーヴは美しくて端正で大人っぽいので、若いけど、初々しさや戸惑いがあんまり見て取れないんですよね。感情の起伏があまりないように見える。もっと若い彼女を「シェルブールの雨傘」と「反撥」で見たときには、弱々しいって…

ルキノ・ヴィスコンティ 監督「山猫 イタリア語・完全復元版」1864本目

あれ、イタリア映画かと思ったらイタリア語の口パクだ。 主役がバート・ランカスターなので、英語で話してたのかな。しかし何という耽美の世界。強烈な色彩とか完璧な造形とか、美しさの質がイタリアらしいです。血の匂いがするような。黒が効いています。黒…

イングマール・ベルイマン監督「仮面ペルソナ」1842本目

1967年の作品。 頭から攻めてきます。白黒の硬質な映像(スヴェン・ニクヴィストって、芸術家ですよね〜!)、写っているのは動物や人間の虐待なのか。音楽もクラシック音楽の楽器をランダムに鳴らす感じの現代音楽がタイトルに被さります。巨匠の若かりし頃…