映画と人とわたし

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

ヨーロッパ映画(80年代まで)

クシシュトフ・キェシロフスキ 監督「トリコロール 赤の愛」2280本目

3部作の完結編だそうです。順番間違えた。<以下ネタバレ多め> これはあのジャンルイ・トランティニャンが出てます。彼は以前判事をやっていた時代に有罪の人を無罪にしたことが尾を引いている老人で、今は隣人が電話で愛人と話すのを盗聴することくらいし…

エルンスト・ルビッチ監督「天使」2278本目

ディートリッヒ様、細眉が今日もお麗しい。ディートリッヒ様は古今東西、世界一タバコをカッコよく吸う女性だな。 彼女の夫役のハーバート・マーシャルはつい先日のヒッチコックの「殺人!」に出てたサー・ジョンだ。彼女がよろめく紳士役はメルヴィン・ダグ…

ヴェルナー・ヘルツォーク監督「ノスフェラトゥ」2276本目

はー、私はもうズブズブと映画沼の深みにはまる一方だ、と、この映画を見ながら思う。今あえてこの映画を掘り起こして見る人がいったいどれくらいいるんだろう。 でもこの映画、公開当時を覚えてる。たぶん、当時熱心に聞いてたロック界隈でもこの映画は話題…

アルフレッド・ヒッチコック監督「メリー」2275本目

ヒッチコックの古い映画を次々に見ています。ヒッチコックいいわ。大方有名な作品を見尽くした後にまだ、こうやって”ヒッチコックを見る楽しみ”を味わうことができる。エンターテイメント的な楽しみのある映画を作る監督は、こういう意味で偉いと思う。きっ…

アルフレッド・ヒッチコック監督「第十七番」2274本目

1932年の作品。ゾクゾクするような古めかしい、傷んだ映像です。 これよりさらに古い「殺人!」は半ば無声映画のようだったけど、この映画はしっかりトーキーですね。おどろおどろしい音楽でお化け屋敷みたいです。 だんだん登場人物が増えていくので、混乱…

マクシミリアン・シェル監督「初恋」2263本目

かの有名なロシアの作家ツルゲーネフの「はつ恋」の映画化。ほかにもいくつもありますが、これは1971年版で、ジョン・モルダー・ブラウンとドミニク・サンダが演じています。「早春」を見たらこっちも見たくなりまして。 少年はやっぱり初心だけど、こっちの…

アルフレッド・ヒッチコック監督「リッチ・アンド・ストレンジ」2255本目

1931年のイギリス時代の作品。 なんとなく、もうちょっと古いかなと思いました。画面替わりに文字による情景説明が入るし、主人公の夫婦の夫のほうは、顔は白塗りで口紅は赤く、作った表情の割にぞんざいなセリフ…無声映画の時代の人って感じがします。 妻の…

ペドロ・アルモドバル監督「神経衰弱ぎりぎりの女たち」2254本目

なんか、細かいところが面白いですね。この監督の映画は。舞台劇みたいに、キャラの立った人たちが入れ替わり立ち代わり。ど派手なタクシーの運転手や、息子の彼女とか。。 スペインのブランドDesigualみたいにカラフルで、色恋ごとがいっぱいで、賑やかな映…

ルキノ・ヴィスコンティ監督「ルートヴィヒ 完全復元版」2251本目

まぁなんて美しい映像、美しい男たち。女性より男性の美のほうが強調されてる映画って、だいたいホモセクシュアルの男性監督が撮ったとみて8割がたは合っている。だいいちルートヴィヒの物腰が見るからに・・・ ヘルムート・バーガーはアラン・ドロンにちょ…

ルイス・ブニュエル監督「哀しみのトリスターナ」2250本目

カトリーヌ・ドヌーヴは常に美しいなぁ。隙がない。しかし彼女がスペイン語を話すという設定は不自然。口パクの外国語は見ていてどうも疲れます。 フェルナンド・レイが少女を愛するというのは、「ビリディアナ」と同じだ。ビリディアナは修道女になったがト…

ペドロ・アルモドバル監督「アタメ」2249本目

アルモドバル監督の作品はいくつか見たけど、こんなに昔のを見るのも、アントニオ・バンデラス出演作品を見るのも初めて。最近の作品は熟成されてて深い~と思うことが多いけど、この作品って、もっと、カラフルでやんちゃで、おもちゃ箱みたい。浴槽の中で…

ヴェルナー・ヘルツォーク 監督「アギーレ・神の怒り」2248本目

この監督、いかれてるなぁ。だいたいドイツ人なのになんでこんなロケ隊まで組んでスペイン人の映画をドイツ語で作る必要があったんだ?誰が出資したの?いいけどやりすぎじゃね?・・・日本の昔のアニメも宝塚もヨーロッパとかが舞台のものが多いけど、少な…

ヴェルナー・ヘルツォーク 監督「フィッツカラルド」2244本目

まさか南米が舞台の映画だとは。 アイルランド人がペルーにオペラハウスを建てる?無明の人々に文明を与える?大きなお世話だな・・・。主人公の行動に最初から反発してしまうと、映画ってなかなか楽しめないですね・・・。ドイツ人監督がそういう映画を撮る…

アルフレッド・ヒッチコック監督「殺人!」2240本目

1930年、ヒッチコック英国時代の作品。画質は悪いけど、見ごたえがありますね。 陪審員の中に最後まで一人だけ意見が違う人がいるという状況は「十二人の怒れる男」を思い出します(あっちのがずっと新しい1954年)ほかの12人が声を合わせるところなど舞台っ…

グスターヴ・モランデル 監督「ドル」2216本目

1938年の、イングリッド・バーグマンのスウェーデン時代の作品。前に見た「スウェーデンイルム家」の3年後。監督も同じだし、テーマは今回もスウェーデン上流階級のお金がらみのトラブルです。そしてタイトルが「ドル」か。こっちの方が、ちょっとややこしい…

フランソワ・トリュフォー監督「トリュフォーの思春期」2167本目

可愛くて、こまっしゃくれてて、コジャレてる。日本の少女たちがイメージするフランスをちょっと崩したような、愛ある映画でした。 小学校高学年くらいか。10歳くらいの子どもって、頭も体もまだ子どもだけど、精神的にはおよそ成熟してて、切なさとか痛みと…

イェジー・スコリモフスキー 監督「早春」2110本目

1970年のイギリス映画。(否、監督自身がDVD収録のインタビューで、アメリカと西ドイツの合作だと言ってる) 「エロティックな青春」系の甘酸っぱい映画かなと思って途中まで見てたけど、よく見ると「11ミニッツ」で私の度肝を抜いた老監督の監督デビュー…

ジャン・リュック・ゴダール監督「彼女について私が知っている二三の事柄」 2087本目

「グッバイ・ゴダール」で白日のもとに晒されたばかりの、厭世的な気取り屋ゴダールの作品です。「彼女」マリア・ヴロディの存在感に目を奪われます。イングマール・ベルイマンの映画に出てくる美しくて大きい女のような存在感。ゴダールのミューズは少女の…

アラン・ロブ=グリエ 監督「危険な戯れ」2083本目

よくわからない映画だったなぁ・・何を描きたいのかが伝わってこない映画でした。 美少女が何人も全裸でうろうろしていて、いやらしい感じじゃないんだけど、その周りの大人の男たちは買春してるわけだから、いやらしい映画なんだろう。 でもなんでこんな映…

ヴェルナー・ヘルツォーク 監督「カスパー・ハウザーの謎」2058本目

Amazonプライムのリストを見てたらこれがあって、何十年も前に聞いたようなタイトルに、昔のかすかな記憶を刺激されて借りてみました。ただし借りたのはTSUTAYA宅配レンタルです(今はこっちが少し安い)。今この映画みる人っているんだろうか。 ジャケット…

カレル・ライス 監督「裸足のイサドラ」2047本目

1969年のイギリス映画。 ヴァネッサ・レッドグレイヴって、私がリアルタイムで見たのは「ハワーズ・エンド」の母親役、最近では老婦人役が多いので、彼女の若い頃の美しさに触れられてちょっと感動します。ジェームズ・フォックスがこれにも出てる。(さっき…

ルイス・ギルバート監督「アルフィー」2045本目

マイケル・ケインの若い頃、いいなぁ!スリムでインチキ臭くて、きれいで調子が良くて最低の優男。話しかけて欲しくないけど、ずっと遠くで見ていたい。ロンドン訛りも大変チャーミングです。 光源氏ばりのプレイボーイ、アルフィーは気ままに女性遍歴を重ね…

ベルナルド・ベルトリッチ監督「暗殺の森」2039本目

1970年のイタリア映画。 ジャンルイ・トランティニャンがイタリア語しゃべってる。口パクかな?ちょっと声が太い気もする。彼が演じるのは、ありていに言うと悪い男です。過去のひどいトラウマのために冷血な暗殺者になった・・・といっても、彼がそれで苦し…

ヴィム・ヴェンダース監督「アメリカの友人」2026本目

1977年のドイツ映画。まだ健在なデニス・ホッパーの、うさん臭さが嬉しい。で、この額縁屋ヨナタン、ブルーノ・ガンツなんですね?1944年生まれでこのとき33歳。にしては落ち着いてるけど43歳のときの「ベルリン天使の詩」ではさらに圧倒的な静けさがある。5…

フランチェスコ・ロージ監督「シシリーの黒い霧」2019本目

1962年のイタリア映画。この監督の映画は「予告された殺人の記録」しか見てないけど、あれはよかった。この映画も、白黒なのに汗がムンムンするような中庭に横たわる死体から始まり、ラテン系の人たちにしかない「濃さ」を感じさせながら始まります。 いいで…

ロベール・ブレッソン 監督「バルタザールどこへ行く」2018本目

最初から最後まで誰も笑わない・・・北欧の映画かしら?とクレジットを見ると「スウェーデン、フランス」となってる。どういう状況で作られたんだろう。 この映画は、ロバのバルタザールがすごく可愛くて、アンヌ・ヴィアゼムスキーが暗すぎる美少女で目を奪…

グスターヴ・モランデル 監督「スウェーデンイェルム家」2011本目

うわ〜、なんて古い映画なの。(1935年のスウェーデン映画) スウェーデンイェルムさんという没落貴族一家の大黒柱は科学者で、特許ライセンス収入で一家を養っています。特許が切れそうになっているので、ノーベル賞の受賞を毎年待ち続けているのは、金遣い…

スティーヴン・フリアーズ監督「マイ・ビューティフル・ランドレット」2008本目

「あなたを抱きしめる日まで」と同じ監督だ。知らずに一緒に借りてた。タイトルは「僕の素敵なコインランドリー」かな。発音はランドレットより「ローンドレット」の方が近い? パキスタンってインドの西で、名前がオマールってことはイスラム教の国か。(東…

ロジェ・ヴァディム監督「バーバレラ」2001本目

うわ〜。何このオープニング!未だかつてないな、これ。 防音用みたいなフェルトを厚く張った室内に、ルノアールの絵や彫像が飾られている。が、そこはなぜか無重力空間。外から戻ってきたばかりの宇宙服の人間がまず手袋を取ると、しなやかで美しい女の手。…

「エヴァの匂い」1991本目

先日イザベル・ユペール&ギャスパー・ウリエル版を見たら、これも見なきゃと思いました。 1963年に作られたこちらはジャンヌ・モロー31歳。高級娼婦イザベル・ユペール65歳はセクシーというより知的な魔女みたいだったけど、モローも意外と色っぽいって感じ…