映画と人とわたし

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

その他の国の映画(90年代以降)

ハイファ・アル=マンスール監督 「少女は自転車にのって」2324本目

サウジアラビアは、女性の露出部分が世界で一番くらい少ない国だ。真っ黒な衣をかぶって顔は目だけを出す。だけどこの子はオテンバだ。ゴージャスな美人(モニカ・ベルッチみたい)の母親と雰囲気違いすぎ~~ この国では女の子が自転車に乗ることもできない…

ニコラス・ケンドル監督「天使といた夏」2307本目

カナダ映画。デヴィッド・ボウイが出てるんですよ。1999年といえば20年も前で、元気そうではあるけど、年とったね、という印象もあります。彼の役どころは「難病の少年を勇気づけるため、自分の死後に謎解きを残していった男」です。なんかしんみりしますね……

ドゥニ・ヴィルヌーヴ 監督「灼熱の魂」2192本目

驚きました。これがカンヌで外国語映画賞を取らなかったなんて。 パルムドールを取っても全然不思議じゃない力作でした。 苛烈な政治闘争のど真ん中にいた女性とその子供たちが、運命に振り回されることは想像できるけど「まさかここまでは。偶然が重なるに…

カルロス・キュアロン 監督「ルドandクルシ」2033本目

この監督は、アルフォンソ・キュアロンの身内なのかな?彼の監督した「天国の口」の脚本を書いたりしてますが。 ガエル君とディエゴ君という二大メキシカン俳優がまた出てますよ。巨大なバナナの木々の下を、収穫した巨大な房を背負って小走りに行く小柄な「…

アレハンドロ・ホドロフスキー 監督「エンドレス・ポエトリー」1902本目

強烈な自意識の続き。 自分、自分、自分、 もうアレハンドロによるアレハンドロ語りの厚さ、濃さに当てられっぱなしです。 でもそこには普遍もある。 自分中心ではあるけど、自己愛と同じくらい深い自己嫌悪もある。こんな自分でも愛してやろうじゃないか、…

フィト・パエス 監督「ブエノスアイレスの夜」1799本目

2001年、アルゼンチン・スペイン映画。 遠い国で作られた映画は、言葉も表情も生活も自分と違いすぎて、全てエキゾチックに魅力的に見える。という良いバイアスがあると思うけど、それを考慮しても面白かった。彼女と彼をつなぐものは、日本でも他の国でもな…

オムニバス 「セブン・デイズ・イン・ハバナ」1736本目

わりと最近の映画じゃないですか。2012年。 キューバに旅行したので、関係のありそうな映画を見まくってるだけですが。 この映画はオムニバスで、普段目につきにくいラテン諸国の(当時)新進気鋭の監督がハバナでの7日間の出来事を1日ずつ担当しているよう…

トマス・グティエレス・アレア 監督「苺とチョコレート」1729本目

素朴な社会主義国のなかの、アーティスティックな”オカマ”、というかなり想像しにくい設定だけど、見てるとなんら不自然なことはなくて、どこの国のどこの街にも同性が好きな大人がいて、世の中のためを常に考えている純粋な学生もいる。すごく違う人どうし…

アッバス・キアロスタミ 監督「オリーブの林をぬけて」1727本目

先日初めてこの監督の映画を見たのが「桜桃の味」だったので、民話的な深い世界を期待して見たら、民話的なテーマかもしれないけど、この映画はとっても日常的でコミカルな映画でした。何より、イランの人たちの普段の生活や結婚観というものが垣間見られて…

アッバス・キアロスタミ監督「桜桃の味」1717本目

この年のカンヌで今村昌平「うなぎ」とパルム・ドールを2作品で受賞した、その片方。 見てよかった。人生って何?を暖かく諭そうとする、昔話みたいな映画。 会話から、ここはイランの首都テヘランのどこかだと推測されるんだけど、どこまで行っても草木の…

ジョン・キャメロン・ミッチェル監督「パーティで女の子に話しかけるには」1680本目

いやー変な映画だった。 新しいBoy meets girl映画、と言われれば確かにそうだ。 少年少女時代に恋をする異性って、まるで異星人のように新鮮。全然予想も理解もできないけど、目をそらせることができないくらい、輝いてて美しい。という意味で、この映画自…

ドゥニ・ビルヌーブ 監督「複製された男」1679本目

カナダとスペインの映画、とある。あまり接点がなさそうに見えるんだけどな。 そしてジェイク・ギレンホールが主演。相変わらずの目力。この人ほんと、変な映画好きだなー。日常のなかの非日常。平凡な生活に隠れていた謎。とか。自分で何かを引き起こすんじ…

ヴィム・ヴェンダース 監督「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」1667本目

胸の奥にしみる。中南米的なやわらかい情緒が。 初めてこの映画を見たのは多分2000年代だろうな。バブルの時期にサンバ・カーニバルだのカリビアン・カーニバルだのといったイベントを野音とかでばんばんやってた頃にこの地域の音楽に出会って、なんでこう琴…

ホナス・キュアロン 監督「ノー・エスケープ 自由への国境」1666本目

本当にあるのでは?あるのかも?とぞっとする映画でした。 実際には逃げ出す間もないのかもしれず、こんなにドラマチックな逃亡劇が繰り広げられることはないのかもしれません。特殊な兵器や怪獣やサイコパスは出てこないし、超常現象も起こりません。世が世…

ダニエル・グルー 監督「神のゆらぎ」1661本目

美しい映画だなぁ。おそらく監督の美意識なんだろうな。エティエンヌが訪ねて行く家の外径が美しい。エティエンヌを演じるグザヴィエ・ドランの表情も、彼を愛するマルティンの大きな青い目も。こういう、激しいものが何もなく、何もかもたゆたうような映画…

マット・ピードモント 監督「俺たちサボテン・アミーゴ」1651本目

ああ、ひどい映画だ(嬉しそうに) ロバート・ロドリゲスの世界だな。 これもガエル君おっかけで見ましたが、「ハッピーエンディング」と真逆の、冷血非道の麻薬王の役です(笑)。あの映画とは発声も違う。幅広いなぁ。「天国の口」で一緒に出てたディエゴ…

ギレルモ・デル・トロ 監督「パンズ・ラビリンス」1650本目

スペインとメキシコの合作映画なんて素敵です。想像がつかないから。 主役の女の子のちょっぴり濃い容貌も、不思議な造形の要請がスペイン語でしゃべってる感じも、ワクワクします。それにしても軍人の描写は戦争映画みたいに最初から残酷だけど。(この辺が…

モフセン・マフマルバフ 監督「独裁者と小さな孫」1613本目

ジョージア フランス イギリス ドイツ合作映画で、イランからヨーロッパに亡命している監督がジョージアで撮影した作品・・・という、極東の島国の私には理解するのが難しい状況で作られた作品。言語は何語?と思ったら、キャストは現地ジョージアの人たちで…

シャルル・ビナメ 監督「エレファント・ソング」1606本目

2014年のカナダ映画。 グザヴィエ・ドランが英語しゃべってる。ネイティブじゃないという感じはないけど、フランス語の方が自然な気がする。。。誰もが愛するものを失うという、悲しみに満ちた映画なんだけど、全員大人なので誰もオイオイ泣いたりしません。…

チャン・ヤン 監督「スパイシー・ラブスープ」1601本目

1998年の中国映画。 冒頭に、白と赤のスープが陰陽印の鍋で煮えているところが映し出されます。スパイシー・ラブスープというのはこの辛いスープのことなのかな。 これは、コメディというよりロマンチックな群像劇ですね。北京ってなんて素敵な街なのかしら…

レニー・アブラハムソン 監督「ルーム」1555本目

すごい題材。 いかにも、戦争と平和と堕落と疑問を経た現代らしい、今までの”勧善懲悪”や”ハッピーエンド”に疑問を投げかける作品だと思います。(同じ意味で、プリンス・チャーミングを全否定した「アナ雪」や、無知で清純な妻を全否定した「ゴーン・ガール…

ラージクマール・ヒラニ 監督「PK」1537本目

「きっと、うまくいく」の監督&主演、インド映画好きの友人大絶賛、ということで期待していましたが、娯楽というより、思い切り国家間、民族間の根幹となる課題をど真ん中に据えた問題作でした。ギャグでくるんでるとはいえ、この映画が大ヒットするインド…

パク・チャヌク 監督「渇き」1527本目

2009年の韓国映画。現代バンバイアもの。というより、バンパイアになることや襲われることを通じて道徳やエロスに挑む作品、といった印象。 韓国映画の特徴として、血管が切れそうなくらい高まる感情表現が挙げられると思うのですが、(それに対して日本は薄…

グザヴィエ・ドラン 監督「たかが世界の終わり」1501本目

くだんの監督の新作。 22のときに家を出て12年。弟が実家に帰ってきた。自分の死期が近いことを家族に伝えるために・・・。タイトルが良すぎる。「永遠と一日」くらい良い。もうタイトルだけでお腹いっぱいだ。原題もまさに、英語で「IT'S ONLY THE END OF T…

パトリシオ・グスマン監督「真珠のボタン」1286本目

「光のノスタルジア」は流して見てしまいましたが、こっちはむごい過去のできごとを見せつけられて、ずっと苦しい気持ちで見ました。2本のドキュメンタリーをこの順番で見られてよかったんだと思います。チリは日本から見てまさに地球の反対側の国。 過去に…

パトリシオ・グスマン監督「光のノスタルジア」1279本目

珍しく、途中寝てしまったので正確な感想が書けません、すみません・・・。チリのアタカマ砂漠で、過去に独裁政権下で埋められた遺体を探し続ける人々。同じ土地に、地上にいくつかしかない天体観測に最適な場所を求めて集まってくる人々。 2つのドキュメン…

ダミアン・ジフロン監督「人生スイッチ」1271本目

これはアルゼンチンの監督の映画だそうです。やっぱり中南米の映画監督って好き。 感情はこんな風にどかーん!と放出したほうがいい。出さないと鬱屈して何も解決しないままになっちゃうんだよね。いつも熱くて、常にやりすぎちゃう人たち、どうしようもなく…

スジョイ・ゴーシュ 監督「女神は二度微笑む」1229本目

インドには、魅力的な役者さんがたくさんいるんだなー。 主役のスジョイ・ゴーシュはもちろん、刑事役も悪役も、それぞれの人間的な優しさや柔らかさ、強さと冷酷さ、それぞれの性格をもってしっかり生きています。 ストーリーは、どんでん返しをしつつも、…

ジョージ・ミラー 監督「マッドマックス 怒りのデス・ロード」1225本目

まずは2015年キネマ旬報外国映画第1位、おめでとうございます。(←タイムリーな話題) なんかこう、ズドーーンときて、ドッカーーーンときて、ブワーーーッとくる映画でした。 几帳面な技術や効果の分析をしたくなくなる、突き抜けたバカバカしさが全編を貫…

グザヴィエ・ドラン監督「わたしはロランス」1183本目

若い頃、たとえば20歳前後で、自分が本当にやりたいことがわかってる人っているよね。グザヴィエ・ドランって人も、そういう人だ。才能や実行力もだけど、そこが何よりうらやましい。抑圧された欲望があるからるからやりたいことが研ぎ澄まされてくるんだ…